歌舞伎役者の市川海老蔵の、十三代目市川團十郎襲名に注目が集まっている。

 当初、2020年5月に團十郎白猿の襲名を控えていた海老蔵だが、コロナ禍のせいで襲名ならびに披露興行は延期に。それでも東京オリンピック開会式に登場し、人気演目のひとつである「暫」を披露し、反響を集めた。

 その反響をきっかけに、あらためて大名跡である團十郎襲名を望む声が集まっているが、そんな海老蔵が「憧れ」と公言しているのが、十一代目市川團十郎。十一代目は今も語り継がれているほどの人気役者だという。

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 「十一代目は53歳で襲名後、わずか3年半で胃がんにより死去したいわば伝説の團十郎。團十郎襲名以前は長く九代目市川海老蔵として人気を博したため、『海老さま』と呼ばれて親しまれ、空前の海老蔵ブームを起こしたと言われています。そんな十一代目ですが、実は海老蔵にとっては実の祖父。十一代目の死去後に海老蔵が誕生したため、ふたりが会ったことはありませんが、海老蔵は憧れていることをたびたび公言。歌舞伎役者に本気で挑むきっかけとなったのも16歳の時に見た十一代目の映像だったといい、2019年8月29日のインスタグラムポストでも『私 祖父 会ったことないのですが凄い人だったらしく私の中で最高の憧れの存在なんです』とつづっています」(芸能ライター)

 美男子として知られていた十一代目だが、実は私生活ではスキャンダルも。その経緯は宮尾登美子が小説『きのね』として発表している。

 「『きのね』が描いているのは住み込みの家政婦が働き先の歌舞伎役者・雪雄と通じ合い、戦中の貧しい生活を支え続け、やがて妊娠する、というストーリー。しかし、使用人に手を出すスキャンダルは当時認められず、家政婦は病院に行くこともできずにトイレで男児を出産。その後女児が誕生したものの、しばらく妻と子どもたちは日陰の存在に。しかし、雪雄が『役者をやめても結婚する』と宣言したことをきっかけにようやく結婚が認められるというものになっています。

 小説は一応はフィクションの形を取っているものの、市川宗家はこの小説を嘘だと否定していないため、歌舞伎ファンの間では事実だとして知られています。なお、このとき生まれた赤ちゃんが海老蔵の父である十二代目團十郎。史実でもこうして生まれたとされる家族を大事にしていたとされています」(同)

 海老蔵に負けずスキャンダラスだった十一代目。海老蔵がこの偉大な祖父に近づけることを期待したい。

記事内の引用について
市川海老蔵公式インスタグラムより
https://www.instagram.com/ebizoichikawa.ebizoichikawa/