2月28日、武藤敬司がプロデュースする“プロレスの達人”が集結する“レジェンドだらけ”の大会「プロレスリング・マスターズ」の全試合後に、「燃える闘魂60周年メモリアルセレモニー」が行われた。

 アントニオ猪木氏の足跡を振り返るVTRの後、お馴染みのテーマ曲「猪木ボンバイエ」が会場に流れると、場内は割れんばかりの“猪木コール”に包まれて、ロープを取り除いたリングへ燃える闘魂が登場。中央に用意させた椅子に着座すると、トレードマークの赤いマフラーを両手でかざし、ファンへアピールした。 

 続いて、プロデューサーの武藤が入場し、「デビュー60周年、喜寿おめでとうございます。暗くなりかけている日本に喝を入れてください」と呼び掛けると、“黒のカリスマ”蝶野正洋、ヒロ斎藤、越中詩郎、AKIRA、藤原喜明、藤波辰爾と、この日出場した選手たちから次々とリングインし、「おめでとうございます!」と言葉を贈った。

 ここからは、それぞれのテーマ曲に乗ってゲストが登場。オールドファン中心の観客は、テーマが流れる瞬間に誰が出てくるかパッと頭に浮かぶと共にコールする状況で、木村健吾氏、前田日明氏、木戸修氏、長州力氏と次々登場する大物に、会場は大盛り上がり。更に、最後の長州氏が「武藤と蝶野がぜひ闘魂ビンタを入れてくださいと伝えてと言われてる」といたずらっぽい笑顔で猪木氏に懇願。言ってないとばかりに腕を横に振る武藤と蝶野がタジタジの表情を見せたところで、会場のボルテージがひと段落上がり、猪木氏の挨拶が行われた。

 お約束の「元気ですかー!」の後、「武藤のヤツ、俺を乗せやがったな。60周年って俺関係ない」と苦笑い。その後は、自身のライフワークである“一万度以上になる水プラズマを使って、瞬時にゴミを水素化する”プロジェクトについて、「世界をひっくり返す。世界のゴミを俺が綺麗にしてやる。プラズマって言うんですが、いまこれに燃えて」と言及。「本当は去年2か月半入院して、もうどうしようかなと思っている時にこれに出会い、新たな闘魂に火が付きました」と、消えかけた闘魂が再点灯した理由も説明した。

 そして、「何すればいいんですか?」と、ニヤリ。待ってましたとばかり長州氏が武藤を羽交い絞めし、「世の中に一番必要なのはビンタかも。世の中を元気にして行くぞ!」と右腕を一閃。続いて、蝶野にもお見舞い。すると、観客という“過激な仕掛人”が動き、大長州コールを巻き起こすと、武藤、蝶野がすぐさま長州氏を押さえ付け、「ひと叩き100万円なんだぞ」と言い放ち強烈な一発を放った。ファンはこれに満足せずに、前田コールでおかわりをおねだり。「前田もやるのか。変わったな」と猪木氏は笑顔で前田に対峙し、この日4度目の闘魂注入を敢行した。

 最後は、猪木氏が「これからもプロレスで世界の人たちに勇気と希望を」の気持ちを込めて、恒例の「1、2、3、ダー!!」で締めた。

 猪木氏に対して、様々な感情を持つレジェンド達だが、この日は弟子と師匠の関係に戻り、「猪木会長」をお祝いした。猪木という太陽を中心として、再びプロレス界にパワーが宿るーーー集まったファンの笑顔からも、そんな期待が膨らむマスターズだった。

取材・文 ・ 写真/萩原孝弘