ゼラス・ウィーラーがチーム合流と同時に「7番左翼」でスタメン出場した(6月30日/登録は内野手)。2打席目に三塁手の頭上を破るレフト前ヒットを放ったが、その瞬間、巨人ベンチは大いに盛り上がった。現打線の中で「本塁打を狙って打てるバッター」は、4番の岡本和真だけ。原巨人はチーム本塁打数が勝敗に影響する傾向が強いので、17年シーズンに30本塁打超えを果たしたウィーラーが準備万端と分かれば、今回のトレード補強は成功と見ていい。

 「試合前の全体ミーティングで、改めて彼が紹介された時、『(ウィーラーに)何て呼べばいいか?』と聞かれました。さらに、原辰徳監督が『ハクションでいいか? 大魔王?』と突っ込みを入れました。ウィーラーは喜んでいました」(関係者)

 ウィーラーの風貌がアニメ・ハクション大魔王に似ているのは楽天時代から言われていた。実際にそのコラボ企画もされており、原監督はそのことを知っていたのだろう。

「チームに合流したばかりの選手をいきなりスタメンで使うのも、原監督らしいと言うか…」(前出・同)

 原監督は「動の指揮官」とも言われている。

 その「動」だが、同日、グラウンド外でも原巨人は次の一手を打っていた。“遊撃手・坂本の後継者候補”、“内野陣の強化”で、意中のアマチュア内野手を調査していた。

 「巨人三軍が社会人・JFE東日本と練習試合を行いました。スカウトも同行し、調査しています」(アマチュア野球担当記者)

 巨人スカウトが熱視線を送っていたのは、平山快内野手。JFE東日本は昨夏の都市対抗野球で優勝しており、平山は攻守に渡ってそれに貢献している。当然、他球団も指名候補に挙げているが、興味深いのは、この日、平山は「2番・遊撃手」でスタメン出場したこと。本来は、三塁か一塁を守っているのだが…。

 「右打ちですが、一塁まで走り抜けるスピードが速いんです。でも、高校、大学時代はもちろん、JFE東日本でも4番を務めてきました」(前出・同)

 東海大相模、東海大を経て、JFE東日本へ。原監督の後輩でもある。不慣れなショートの守備も無難にこなし、バットの方では3安打2打点と結果を残している。同試合は「関係者以外立ち入り禁止」となったため、詳細は分からないが、巨人以外の球団スカウトも来ていたという。

 「原監督は今春のキャンプ前、一塁手と二塁手の力不足を口にしていました。要は、打てないと使ってもらえないということ。中島宏之が一塁のレギュラーを取り戻せたのは打撃が好調だからで、二塁手が日替わりなのは、吉川尚、増田大、山本、北村らが打撃面でまだ不安定だからです」(プロ野球解説者)

 6月1日から社会人野球も活動を再開させている。巨人スカウト陣は「その日のうちに、JFE東日本に挨拶をした」という。トレードで獲得したウィーラー、三軍との練習試合を組んでお目当ての選手の力量を計るスカウト活動。色々な意味で、球界は“平常”を取り戻しつつあるようだ。(スポーツライター・飯山満)