セ・リーグの指名打者制導入論(以下=DH)に“怪情報”が飛び出した。「交流戦までの期間、試験的にやってみる」というのだ。

 「12月から1月上旬にかけ、各球団の編成スタッフ、監督、コーチが集まり、2021年シーズンの展望を話し合います。それを元にキャンプ、オープン戦の練習スケジュールや、選手の一、二軍の振り分けなども決まっていくのですが、『DH制に備えてくれ』と伝えられたセ・リーグ球団のコーチが何人かいました」(球界関係者)

 セ・リーグのDH制導入の積極論者は、巨人だ。昨年12月14日のセ・リーグ理事会で改めてその提案が議論されたが、4球団が反対。この話はいったん終了と思われたが、そうではなかった。

 >>金村義明氏「何してんねんこいつ」一部監督のお粗末采配に呆れ?セ・リーグのDH制導入見送りも批判し賛否<<

 プロ野球選手会も『DH制』の導入を訴えてきたんです」(スポーツ紙記者)

 選手会が要望してきたのは意外だったが、大きな混乱はなかった。セ、パ両リーグのMVP、新人王などが発表・表彰される「NPBアワード」(同17日)でのことだ。セレモニー終了後、複数の選手が24日のNPBとの事務折衝で「セ・リーグのDH制導入の話を出す」と予告していたからだ。

 年長のプロ野球解説者がフリートークの延長で、こんなことを教えてくれた。

 「ピッチャーが打席に立つ打線と、野手を9人並べた打線では、当然、破壊力が違います。ピッチャーも打席に立たない分、気分的に楽かもしれません。今の時代、社会人、大学でDHを経験している選手も多いので、セ・リーグがDH制を導入しても混乱は起きないと思う。問題なのは、『契約更改』ですよ」

 DHという10人目のレギュラーが誕生する。そうなれば、セ・リーグの各球団はチーム総年俸が増えることを覚悟しなければならない。巨人以外のセ球団がDH制導入に消極的なのは、“人件費が影響している”との意見だ。

 「セ・リーグも毎年、オープン戦でDH制を使って選手を調整させています。パ・リーグ主催ゲームとなる交流戦、日本シリーズもDH制なので、その長所と短所は理解しています。『短期間だが、試験的にやってみようか?』との意見が出始めたんです」(前出・関係者)

 その“お試し期間”が、「オープン戦まで」ではなく、交流戦が始まるまでの序盤戦だというのだ。

 「開幕前、セ・リーグがもう一度集まります。その時に『お試し期間』が協議される可能性が高まってきました。選手会を敵に回すとウルサイですし…」(前出・同)

 今のところ、選手会の本気度は不明だ。かつてFA権の導入を訴え、その取得年数の短縮を主張したような激しさもない。

 「21年、東京五輪が開催されるのなら、その間、ペナントレースは中断されます。『五輪を挟んで、前半と後半』という捉え方をする監督、コーチもいます。その前半戦だけ、セがDH制をテストしたとしても混乱は起きないと思います。でも、ファンの支持は得られないのでは」(前出・プロ野球解説者)

 しかし、グラウンドを指揮する監督、コーチたちが「その可能性も念頭に入れている」となれば、“お試し期間”が導入される可能性は十分にある。巨人、そして、選手会の動向に、要注意だ。(スポーツライター・飯山満)