イチロー(44)にとって、屈辱的な年の瀬となりそうだ。

 米フロリダ州オーランドでGMミーティングが始まった(現地時間・11月13日)。12月からはウインターミーティングも控えており、メジャーリーグは、補強、トレードなどオフの動向が活発化する。しかし、イチローの名前が出てくるのは、「早くて年明け、キャンプインの直前になりそう」とのこと。

「メジャー各球団はレギュラー選手から補強を始め、そのあとで控え選手を獲得します」(米国人ライター)

 イチローは「レギュラー選手」とは見なされていないようなのだ。但し、米メディアも彼の去就に注目していた。GMミーティングは何日もまたいで行われる。そのため、会場にはたくさんの取材陣も大挙してくる。大物選手、人気選手の獲得に熱心とされるチームのゼネラルマネージャーが出てくると、米メディアが追いかけていき、“緊急会見”となる。その際、「イチローを獲るのか?」の質問も飛び交っているという。

「こちらでは、イチローがマリナーズに復帰するのではないかとの声も出ています。マリナーズのジェリー・ディポトGMの発言も意味深ですからね」(前出・同)

 マリナーズの補強ポイントは、ファーストと外野(主にセンター)。同GMは記者団に囲まれ、こう答えている。

「イチローの功績を考慮するのはもちろんだし、考えなければならないこと。実際、考えなければならないかもしれないし…。彼がフリーエージェントなのは理解しているよ。」

 また、マリナーズの地元シアトルでは、「イチローを獲るべきか否か」のアンケートまで行われたという。地元紙が行ったのだが、賛成と反対はほぼ半数。ルーキーイヤーの2001年から12年途中までをマリナーズで過ごしたイチローだが、今季の年俸は200万ドル(約2億3000万円)。この金額で元功労者を帰還させることができるのだから、積極的に動くべきと主張する賛成派は「マリナーズのユニフォームを着せて、引退してほしい」と願っている。反対派は、世代交代を主張していた。

「今季在籍したマーリンズは再契約の可能性を完全否定しています。そして、イチローの代理人がアスレチックスの要人と会ったとする情報も駆け巡っています。イチローを獲得すれば、日本からの注目度も高まり、いろいろな相乗効果も期待できます。その一方で、控え外野手としてのオファーなのではないか、マイナー契約しかないのでは、との冷静論も出ています」(特派記者)

 日本球界もイチローの去就に注目している。古巣オリックスは「メジャー残留を最優先に考えているようだ」としつつも、有事の際は「動く」と話していた。プロ野球解説者がこう続ける。

「控え外野手のオファーなら、イチローは即合意に持ち込むでしょう。見方が別れるのはマイナー契約しかなかったときです。マイナーなら、日本帰還を選択すると見る向きもあれば、それでも米球界に残ると主張する関係者もいました。」

 米テレビ局CBSスポーツの公式サイトが、「今季引退するかもしれないメジャー選手」という予想特集を組んでいた。そのメンバーの中には、イチローと上原浩治の名前もあった。上原も新天地を探し、焦っている。上原も結果は残してはいるが、42歳だ。イチローは「50歳までやる」と公言しているが、上原も「メジャーで10年投げてみせる」と目標を掲げていた。現時点では、上原は相当厳しいといわれている。古巣巨人が上原の動向を注目しているとの情報も今のところない。先の米国人ライターの見方では、「マリナーズは本命外野手の獲得に失敗すれば、イチローにアタックするかも」とのこと。現状でいうと、シアトル帰還の可能性は低いとみられている。上原の動向は予想できないとしていた。

 「オファーなし」の現実をさらすくらいなら、先に引退表明してしまえば恥じもかかない。イチロー、上原が米球界にこだわれば、“プー太郎”で年の瀬を迎えることになりそうだ。