地震が相次いでいますが、自宅が全壊した場合の備えは十分でしょうか? 国などの支援金だけで再建するのは厳しく、地震保険への関心が高まっています。能登半島地震の後、問い合わせは急増しています。補償内容や保険料、地域差がある加入率などを考えます。

そこで今回の#みんなのギモンでは、「地震保険の問い合わせ急増?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。

●地震保険 どんな仕組み?

●地域によって加入率に差

■青森県と岩手県で震度5弱の地震

日テレNEWS NNN

加納美也子・日本テレビ解説委員

「最近、地震が多くてちょっと不安になりますよね。2日朝も東北で地震がありました。気象庁によると2日午前4時24分頃、青森県と岩手県で震度5弱を観測する地震がありました。マグニチュードは6.0と推定されています」

「市場で働く人は『かなり揺れましたね。下の方からどーんと来て。みんな外に出ました。古いので、いつ壊れるか分からないもので』と話していました」

「水道管が破裂する被害があった他、消防によると青森・八戸市や十和田市でベッドから落ちるなどして 2 人が病院に搬送されたということです」

森圭介アナウンサー

「今後も1週間程度、大きな地震に注意が必要だということです。本当に気を付けていただきたいですし、夜中や未明の地震というのは備えていてもなかなか素早く対応するのは難しいですよね」

加納解説委員

「そうですよね。そういった不安があるからこそ、地震保険を考えていきます」

■多額の生活再建費用…支援のみでは困難

日テレNEWS NNN

加納解説委員

「能登半島地震の発生から3か月が経ちましたが、石川・輪島市などでは倒壊した住宅や店舗がそのままとなっている所も多くなっています。このような大きな地震で自宅が全壊した場合、国などの支援金だけで自宅を再建するのは厳しいというのが現実です」

「東日本大震災の時のデータになりますが、内閣府によると、全壊被害に遭った住宅の新築費用は平均して約2500万円でした。それに対して、公的支援として受け取れるお金はいくらくらいだと思いますか?」

斎藤佑樹キャスター

「半分の1200万円くらいはもらわないと、被害に遭われた方は困りますよね」

加納解説委員

「現実には、善意による義援金も合わせて約400万円です。つまり、2100万円ほど足りないということです」

「実際に被害に遭った場合、自宅の新築費用だけではなく、家財の買い替えや引っ越しなどもあります。生活の再建には他にも多くの費用がかかります」

鈴江奈々アナウンサー

「1日まで石川・珠洲市で取材をしてきましたが、実際に自宅を再建するというハードルがどれだけ高いか(痛感し)、本当に多くの方たちから『どうやって暮らしていこうか』という声を聞きました」

■「経済的な備え」で地震保険に関心

日テレNEWS NNN

加納解説委員

「2000万円以上という大きな蓄えを常にしておくというのはなかなか難しいものです。そこで、事前にできる経済的な備えとして関心が高まっているのが地震保険です」

「日本損害保険協会によると、地震保険に関する問い合わせなどは、能登半島地震前の去年12月に比べて地震後の今年1月も2月も、約3倍に増加したということです。皆さん、自宅は地震保険に入っていますか?」

鈴江アナウンサー

「入っています」

斎藤キャスター

「火災保険などは入っていると思いますが、地震保険はちょっと分からないですね」

森アナウンサー

「私は入っていないです。火災保険のみ」

河出奈都美アナウンサー

「私も家族に確認しましたが、入っていませんでした」

加納解説委員

「自分のことでも地震保険に入っているかどうか記憶があやふや、分からないという方もいらっしゃるほどです。地震保険は、地震や津波によって建物や家財に損害が出た時に、保険金が支払われるものです」

「地震保険単体で加入することはできず、火災保険とセットで契約する必要があります。地震により火災が発生した時は、火災保険だけでは保険金を受け取ることはできません」

「また地震保険は政府と民間の保険会社が共同で運営しているため、補償内容や保険料はどの保険会社で加入しても同じになります」

河出アナウンサー

「地震保険について知らないことが多いと感じました。この4月から新生活で一人暮らしを始める方も多いと思いますが、例えばマンション契約時に地震保険に入るべきかどうか、一度家族で話し合ったり、情報を調べたりというのも必要だなと感じました」

加納解説委員

「持ち家だけでなく賃貸でも加入できますからね。そして地震保険には『ノーロス・ノープロフィット』という原則があります。損も利益もないという意味です。被災者の生活の安定を目的にしているため、保険会社の利益にはつながらない仕組みになっています」

■年間の支払い額は?…東京と石川の場合

日テレNEWS NNN

加納解説委員

「とは言え、実際に私たちが支払う保険料はどれくらいになるのか気になりますよね。保険料は、お住まいの地域や建物の構造によって変わってきます」

「あくまで一例ですが、日本損害保険協会によると最大1000万円受け取れる契約の場合、東京都の木造の建物は年間4万1000円ほど、コンクリートの建物では年間2万7500円ほど。石川県の場合は木造で1万1200円、コンクリート構造なら年間7300円です」

「その上で、受け取れる保険金は建物の損壊度合いによって変わります」

森アナウンサー

「防災グッズなどは用意してありますが、木造で年間4万1000円となると『よし、備えよう』と簡単にこの場では言えない金額ですよね。難しい…」

■2022年の加入率は全国平均で35%

日テレNEWS NNN

加納解説委員

「そうですよね。ただ日本はこれだけの地震大国であるにもかかわらず、地震保険の加入率はそれほど高くありません。ここからは、地域によって差がある加入率について見ていきます」

「損害保険料率算出機構によると、2022年の全国の世帯加入率は平均で35%です。都道府県別では加入率のトップは宮城県の53.6%、次いで愛知県の44.7%、熊本県の44.2%です。東京は37.5%で7位でした」

「過去に大きな地震があったり、これから来ると言われている地域は、平均よりも高い加入率となっているようです」

斎藤キャスター

「僕は群馬県出身ですが、群馬県は内陸で地震も少ない、地盤も固いから大丈夫だよと油断していましたね」

加納解説委員

「群馬県は27.6%で全国平均を下回り、順位は38位でした。なかなかの地域差があります。能登半島地震で大きな被害が生じた石川県は30.2%で、全国の平均世帯加入率を下回っていました」

「しかしある損害保険会社では、地震発生以降、石川県内の加入者が増えたということです」

■「備えの1つ」として地震保険を知る

日テレNEWS NNN

鈴江アナウンサー

「(能登半島地震の)被災地でお話をうかがうと、自宅だけではなく仕事も失ってしまった方は、どうやって再建していったらいいのか、先が見通せない不安を抱えていらっしゃいました」

「実際にそういった経験をされると『やっぱり備えって大事なんだな』と思うこともあるでしょう。一方で、そういった経験がないと…どうでしょう?」

森アナウンサー

「『自分の所は大丈夫じゃないか』と楽観的に考えてしまって、どうしても備えが後手後手になってしまうというのもあります」

「また、こういった地震保険はどこまで備えればいいのか。もちろん、あるに越したことはないですが、実際にお金を払わなければいけないので、無尽蔵に備えられるかというのは難しいところはありますよね」

鈴江アナウンサー

「それぞれの家庭事情やどういった家や地域に住んでいるのかも考えながら、1つの判断材料としていただけたらいいですよね」

加納解説委員

「地震はいつ、どこで起こるか分かりません。備えの1つとして地震保険を知っておくことは重要だと思います。既に加入している人も、自分の補償内容などがどうなっているか、今一度確認してみるのも大切です」

(2024年4月2日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)