新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、自分や家族がいつ打てるのかという不安につけこむ“詐欺”が増えています。国民生活センターの担当者は、これから接種が進む中で「さらに増える可能性がある」と言います。“詐欺”の事例を詳しくお伝えします。

■東京で新たに609人の感染確認

4日、東京では新たに609人の感染が確認されました。1週間前(4月27日)の828人から200人以上減っていますが、重症者は前日(3日)と同じ65人でした。

■開設される「大規模接種センター」予約方法は?

高齢者のワクチン接種は先月12日から始まり、各自治体で接種が進められていますが、一方で、国が東京と大阪で行う大規模接種センターについても、3日、動きがありました。

防衛省の中山副大臣が、今月中に開設を目指す大規模接種センターの大阪の会場の候補地を視察し、府立の国際会議場に決定したと発表しました。東京の会場は、千代田区の大手町合同庁舎3号館に決まっています。どちらも今月24日の開設を目指し、およそ3か月間接種を行う予定で、午前8時から午後8時まで、土・日・祝日も接種できる体制を整備するとしています。

東京の会場では、首都圏の1都3県に住む65歳以上の人や基礎疾患がある人、介護施設の従事者などが対象となります。大阪の会場では、大阪府民だけでなく、兵庫・京都も重要地域として視野に入れているということで、現在、政府内で調整中です。対象者は「接種クーポンを持っている人」となっているため、24日の時点でクーポンを持っている人となると、自ずと高齢者が対象となります。

予約方法については、東京では、通信アプリLINEを中心に、電話での受け付けも検討。大阪では、ネット予約を中心に、コールセンターを補助的に使う予定ですが、今月10日に予約方法を公表したいということです。

■対象34万人なのに…1分で200万件アクセス

国や自治体は、一人でも多くの国民に早く接種できるよう態勢を整えようとしていますが、一方でこんな問題も起きています。神奈川県横浜市では、3日午前9時から予約の受け付けを始めたものの、わずか45分で中止に追い込まれてしまいました。予約枠が埋まったわけではなく、予約システムがパンクしたことが原因でした。

今回の申し込みは今月17日から始まる集団接種の予約で、受け付けは電話とインターネットの両方で行われました。対象は横浜市内の80歳以上の高齢者およそ34万人でしたが、最初の予約枠はおよそ7万5000人分だったということです。ところが、受け付け開始直後に1分間におよそ200万件ものアクセスが集中し、システムが動かなくなったといいます。該当者34万人に対し、6倍以上のアクセスが来たことになります。

横浜市は、1分間に100万件のアクセスを予測してシステムを構築していましたが、実際には想定を大きく上回るアクセスが集中してしまいました。この事態を受けて、5日の受け付け再開にあたっては、1分間に最大600万件のアクセスが集中しても耐えられるように準備を進めているといいます。

横浜市としては今月下旬までに全部で50万回分のワクチンが届く予定になっているので、「できるだけ落ち着いて予約してほしい」と話しています。

■「ワクチン詐欺」に注意

こうした中、全国の消費生活センターなどには“ワクチン詐欺”が疑われる相談が2月中旬以降、少なくとも71件寄せられています。(*先月27日時点)

いくつか事例をみていきます。

(1)接種の優先順位を上げる?

50代男性からの相談によると、スマートフォンに「ワクチン接種の優先順位を上げる。2週間以内に振り込めば、入金確認後に接種日をお知らせする」とのメッセージが届きました。必要な金額は約10万円で、振込先は大手の銀行。問い合わせ先として、省庁の窓口と電話番号が記載されていたといいます。「優先順位を上げる」と特別感を持たせているのが特徴で、なかなか電話がつながらず申し込めないという人の弱みにつけこむ悪質な手口です。本来、ワクチンは無料です。

(2)余ったワクチンを有料で?

40代男性のケースでは、ワクチンの関係団体のようなところから電話があったといいます。「医療従事者から順次ワクチン接種が始まっているが、余ったワクチンを案内している。新薬なので費用は約50万円だ」と言われたということです。接種会場でワクチンが余ることはありますが、余ったとしても、それを有料で案内するという話は絶対にありえません。

(3)もうすぐ承認されるワクチン?

50代男性からの相談によると、電話で省庁の職員を名乗る人から「もうすぐ政府に承認される中国製のワクチンを数万円で接種できる」という勧誘があったといいます。ほかにも、電話で口座番号やクレジットカードの番号といった個人情報だけを聞き出そうとするケースも報告されています。次の詐欺につながる可能性がありますので注意が必要です。

■“ワクチン詐欺”かと思ったら?

被害に遭わないためのポイントは2つです。

(1)ワクチン接種は「無料」です。金銭を求められても決して応じないこと。

(2)行政機関が電話で個人情報を求めることはありません。聞かれても答えないこと。

不審に思ったら国民生活センターの消費者ホットライン「0120−797−188」まで相談してください。(電話:午前10時から午後4時/土日祝含む)

国民生活センターの担当者は、「接種券が配布されると不審な電話やメールはさらに増える可能性が十分ある」と話しています。いざ接種が近づくとガードが緩みます。高齢者はこのコロナ禍で在宅率が高くなっています。接種の予約がなかなかできないといった混乱や不安につけこむ悪質な行為が増えてきています。十分ご注意ください。

(2021年5月4日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)