バスケットボール男子B.LEAGUE1部の「川崎ブレイブサンダース」が、親会社の東芝からディー・エヌ・エー(DeNA)に譲渡されることが決まりました。

 突然だったこのニュースに驚いた方も多いのではないでしょうか。私もそうでした。

 8月17日付のサンケイスポーツ1面で報じられたように、私は個人的に川崎ブレイブサンダースの友好的買収を目指していました。

 今回、驚きのあまりFacebookのページに以下の文章を投稿しました。

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ちっくしょ〜〜〜
バスケ買収、本件の存在に気づかせてしまった。2016年10月にベイスターズ社長を退任して以来D社とまったく関係ないので誤認してもらいたくないが、私は個人でだったので、どうしても折り合わない条件があって断念せざるを得なかったが、残念。がんばってもらうしかない。
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個人的にBリーグのチームを経営したいと思っていた。

 この内容について、少し説明を加えます。

 私は横浜DeNAベイスターズの社長を務めた期間、故郷でもある横浜を活性化させることに力を注ぎました。それなりの結果を出せたと自負していますが、その職を辞したため、もう横浜にはタッチできない。だから、次は組織と関係なく、個人的に川崎のバスケットボールチームを経営し、街を盛り上げることに貢献できないかと考えたのです。

 最終的には条件が折り合わず、断念する結果となりました。

 そして東芝が選んだのは、なんと、DeNAでした。

ビー・コルセアーズ買収で頓挫して、川崎に……。

 その後の報道で、さらに驚きました。

 DeNAは当初、「横浜ビー・コルセアーズ」に経営権の譲渡を持ちかけていたというのです。

 この話が9月上旬に頓挫したため、急遽方針を転換して川崎ブレイブサンダースと交渉した。私が買収に向け動いている、という報道が出た後のことだったのだと知りました。

 DeNAは今年3月から「横浜スポーツタウン構想」を掲げています。横浜DeNAベイスターズ、横浜スタジアム、さらに横浜DeNAランニングクラブという3組織の活動を通して、街づくりや産業創出を推進するという取り組みだそうです。

 横浜ビー・コルセアーズを持つのでしたら、この方針に適した決断だと言えるでしょう。しかし、なぜ”川崎”ブレイブサンダースに手を出したのか――。

 スポーツ事業を通して利益を上げたい、という経営陣の焦りを感じてしまいます。

ヤンキースのサッカーチームがフィラデルフィアに!?

 ベイスターズでさえ、今季ようやく日本シリーズに進出できた段階です。

 構想として掲げるくらいですから、“横浜”との関係をもっと盤石にするのが最優先ではないでしょうか。

 例えば、ニューヨーク・ヤンキースが2015年からメジャーリーグ・サッカー(MLS)に進出しましたが、そのチーム「ニューヨークシティFC」は当然ニューヨークに本拠地を置いています。

 ヤンキースを母体とするチームが仮にフィラデルフィアにあったら、応援するファンは生まれるのか。

まずは横浜、そしてベイスターズファンの気持ちを。

 今回の買収は、これまでDeNAが目指していた方向性に合致するものなのでしょうか。

 まずは横浜。

 そして、何よりベイスターズファンの気持ちを大切にすべきだと思います。

 川崎にもスポーツチームを持つことで、「神奈川県」という大きな枠を盛り上げるとのこと。

 新たな約束をしたわけですから、ないがしろにせず、がんばっていただきたいです。

 (構成:二瓶仁志/Number編集部)

文=池田純

photograph by Kyodo News