2月1日にキャンプインするプロ野球。2019年のルーキー、有望株の中から誰が新人王となるのか。どこよりも早く大胆予想しました! 第1回はパ・リーグ編です。

 今シーズンのセ・パ新人王争いも楽しみな面々が並んでいる。過去10年、セ・パ両リーグで新人王に選出されたのは投手14人、野手6人。それぞれの内訳はこのようになる。

<投手:14人>
大学卒11人、社会人出身3人
ドラフト順位:1位7人、2位4人、3位以下3人。

<野手:6人>
大学卒4人、社会人出身2人
ドラフト順位:1位2人、2位1人、3位2人、育成枠が1人だ。

 最も多く新人王になっているのはドラフト1、2位の大学卒、社会人出身投手だが、今年はそれが9人しかいない。その代わり、新人王が生まれていない高校生野手のドラ1が7人いるのから、今年の新人王予想は難しい。

 ルーキー以外に目を向けると、すでに在籍している中から選出される可能性がある。2年目以降の新人王資格は次の通りだ。

・支配下選手に登録されてから5年以内
・投手は前年まで一軍で30イニング以内
・打者は前年まで一軍で60打席以内

 これらの条件を踏まえて、まずはパ・リーグの選手たちを見ていきたい。

松本航を本命に推したい。

 ドラフト1位の大学卒投手は松本航(西武)と甲斐野央(ソフトバンク)がいる。2人のうち新人王候補の本命に推したいのは松本だ。

 菊池雄星がマリナーズに移籍して投手陣が手薄になったというのが最大の理由だが、松本が在籍している首都大学リーグが昨春からリーグ戦で球数制限を実施していることも大きい。

 最優秀投手に輝いた昨秋は8試合に登板して投げたイニングは40回。チームメートの東妻勇輔(ロッテ2位)も27回3分の2。大学4年時の投球イニングの少なさはプロでは追い風になると思う。

リリーフ向きの甲斐野と東妻。

 甲斐野、東妻はリリーフ適性がある。2人とも現代野球で重要視されているボールの回転数の多いタイプで、特に甲斐野は平均以上の2400回転と言われている。短いイニングで腕を振って投げ込まれるストレートは威力満点だ。

 一方でソフトバンクとロッテのリリーフ陣を比較すると、新人が活躍できる場はロッテの方が大きそうだ。

 サファテ、森唯斗、加治屋蓮、嘉弥真新也、モイネロ、石川柊太、高橋礼がそろうソフトバンクに対して、ロッテは益田直也、松永昂大、内竜也、大谷智久、チェン・グァンユウ、岩下大輝の防御率が軒並み3点台以上。東妻がいきなり抑えを任される可能性もあるため、新人王候補の対抗に推したい。

社会人で即戦力候補なのは?

 '18年のドラフトは即戦力タイプの社会人投手が3位以下で多く指名された。代表的なのが生田目翼(日本通運→日本ハム3位)、荒西祐大(Honda熊本→オリックス3位)、板東湧梧(JR東日本→ソフトバンク4位)、森脇亮介(セガサミー→西武6位)、奥村政稔(三菱日立パワーシステムズ→ソフトバンク7位)といったところ。

 この中では即戦力候補に挙げられるのは生田目と板東。ともに150キロ前後のストレートを投げる本格派で、多彩な変化球を操る技巧派の一面も備えている。

 特に板東は、鳴門高時代はまとまり過ぎとスカウト陣から敬遠される面もあったが、5年間の社会人生活でストレートが148kmまで上がり、ソフトバンク投手陣の中に入っても見劣りしない。

 高校生の藤原恭大(外野手・大阪桐蔭→ロッテ1位)、太田椋(遊撃手・天理→オリックス1位)、野村佑希(内野手・花咲徳栄→日本ハム2位)、渡邉勇太朗(投手・浦和学院→西武2位)は3年後の戦力だが、渡邉は西武投手陣の層の薄さが追い風になり、オールスター後くらいに一軍昇格があっても不思議でない。

コントロールのいい竹安。

 在籍投手では30イニングを目安に、昨年ファームで防御率1点台を記録した選手をピックアップした。

中塚駿太(西武)50.1回、45被安打、28与四球、50奪三振、防御率1.97
竹安大知(阪神→オリックス)34.2回、16被安打、10与四球、25奪三振、防御率1.30
齋藤綱紀(オリックス)33.2回、28被安打、12与四球、33奪三振、防御率1.34
西口直人(楽天)35回、23被安打、11与四球、35奪三振、防御率1.80
永野将司(ロッテ)21回、16被安打、4与四球、29奪三振、防御率1.29

 5人とも投手陣に不安があるだけに、一軍定着が期待されている。一軍で活躍できる条件はまずコントロールなので、この中では西勇輝のFA移籍により人的補償でオリックスに移籍した竹安が最も可能性を秘めている。与四球率2.60に加え、被安打の少なさも魅力がある。

 イニング数が足りないが、永野は社会人時代から定評のあった最速154kmのストレートに安定感が増し、その成果が奪三振率12.4、与四球率1.71の数値にしっかり表れている。本格派右腕の岩下大輝、種市篤暉が昨年のフレッシュオールスターでストレートが150km以上を計測し、今年のロッテは上位球団を脅かす存在になりそうだ。

打者で注目は西武・山田。

 打者は長打率4割を目安にして候補を選んだ。

山田遥楓(西武)87試合、打率.264、長打率.419、安打78、本塁打8、打点34
愛斗(西武)99試合、打率.250、長打率.399、安打87、本塁打13、打点49
西村凌(オリックス)65試合、打率.308、長打率.487、安打69、本塁打4、打点25
香月一也(ロッテ)65試合、打率.258、長打率.448、安打64、本塁打12、打点42
岩見雅紀(楽天) 113試合、打率.284、長打率.462、安打96、本塁打14、打点42

 山田は昨年9月19日、8番・三塁でスタメン出場した日本ハム戦でレフトにホームランを放ち注目された。西武の選手らしく持ち味は右打席からのフルスイングで、気持ちを前面に出した守備も気持ちがいい。長打不足のロッテ、楽天にあって香月、岩見の長打力も魅力がある。

 最後に整理すると、本命は松本航、対抗は東妻勇輔、伏兵が板東湧梧、竹安大知、永野将司の3人。在籍選手だと安田尚憲(三塁手・ロッテ)は昨年一軍で60打席と新人王の資格を残している。

文=小関順二

photograph by Kyodo News