ラ・リーガの試合撮影などを精力的に行っている現地在住の日本人フォトグラファー中島大介氏のオリジナル写真を定期的に掲載している(※写真は関連記事「【新着写真】武藤の決定機をハンドで防いだセルヒオ・ラモス!? 果敢にシュートを打つ乾に巧すぎベンゼマ&モドリッチ…マドリーに挑んだ2人を見る(計14枚)」からもご覧になれます)。

 この週末は乾貴士と武藤嘉紀が所属するエイバルと、ジネディーヌ・ジダン監督率いるレアル・マドリーとの一戦をファインダー越しに見つめた。リーガ初ゴールを奪った武藤や、エイバルで長年主力として活躍する乾は、マドリー相手にどのような戦いぶりを見せたか写真で見ていく。

(1〜5)独特の小さなスタジアム周辺とマドリーの地力

 エイバルの本拠地、イプルアスタジアムです。隣接して一般マンションがあるのはサッカー中継で目にしている日本人ファンの方もご存じかと思いますが、実は中心部からはちょっと離れていて、高台の上のようなところにあります。

 吹きさらしに設置されているエスカレータを乗り継いで到着する感じです。途中、昔使われていた闘牛場の脇を抜けたり、なかなか面白いのですが……昨日は夜ということで写真は撮れませんでした。

 試合前のアップでは、乾と武藤がペアでパスをしていました。2人ともマドリーを相手に先発するなど、1部でたくましく戦い続けるエイバルにあって、主力として定着しています。

 試合は開始早々6分、ベンゼマのゴールでマドリーが先手を取りました。浮き球に対して絶妙なジャンピングトラップからゴールにボールを流し込む形には、ベンゼマのストライカーとしての力を感じました。

 その後、マドリーはモドリッチ、クロースの中盤での長短のパスを織り交ぜた展開で試合を支配しようと試みました、それに対してエイバルもプレスをかけきれていませんでした。攻撃面でも、マドリーのプレスにパスをつなげない時間帯が続きました。特にモドリッチはさすがのゲームコントロールを見せて、前半13分にはベンゼマの折り返しを受けて、追加点を奪いました。

 また久保建英のライバルになりえる同世代のロドリゴも、ベンゼマの先制点をアシストしています。マジョルカ時代の久保の同僚、ポソとのマッチアップの中で結果を残しました。

 2列目で先発した乾は積極的に前線からプレスをかけに行きました。しかしクロース、ルーカス・バスケス、そして最終ラインの巧みなパスで剥がされる場面が多かったです。

(6〜10)武藤と乾、ベンゼマの持ち味


 それでも乾や武藤にも見せ場はありました。まず乾はセルヒオ・ラモスのパスミスを見逃さずシュートチャンスを迎えました。決めきれず天を仰いだものの、集中力を保ってプレーしていました。

 一方、マドリーで高い能力を見せつけたのはベンゼマでした。先制点のシーン、VARで得点が取り消されたシュートシーンでのトラップだけでなく、前線の起点となるべく、クサビのパスをしっかり収めたり、ワンタッチでパスしたり、基礎技術の高さも素晴らしいです。最前線からチームに安定をもたらしていた印象です。

 エイバルの前線に入った武藤も、何とか局面を打開しようとモドリッチを個人技でかわして、シュートまで持ち込むシーンがあったり、チームを鼓舞する場面もたびたび見られました。後半に入ると、サイドからのクロスに対して飛び込んでヘディングシュートを放つなど、積極的にチャンスに絡む場面が多かったです。

 ちなみにペナルティーエリア内でのセルヒオ・ラモスとの競り合いでは、武藤のヘッドでの折り返しが、ラモスの腕に当たったような……少なくともVARがあっても良かったように見えたのですが……。

(11〜13)セルヒオ・ラモスの鉄壁と乾のクロス

武藤のドリブルから乾へとボールが渡り……

 乾もチャンスを作ろうと自陣からのドリブルでの持ち上がりから、武藤からのパスを受けてクロスをゴール前へと送り込みました。しかし中央で待ち構えるのはセルヒオ・ラモスとラファエル・バラン。このクロスもセルヒオ・ラモスが跳ね返していました。

 エイバルはキケ・ガルシアの鮮やかなミドルシュートもあって、試合終盤まで1−2と粘りを見せたものの、後半アディショナルタイムにルーカス・バスケスに試合を決定づける3点目を奪われて勝負あり。ジダン監督率いるマドリーはこれでラ・リーガ4連勝。チャンピオンズリーグ決勝トーナメント進出を含めて、徐々に本調子になってきたようです。

文=中島大介

photograph by Daisuke Nakashima