救援投手は先発投手とは顔ぶれが大きく異なる。当然ながら、日本地図も大きく変化する。ここではセーブ+ホールド数のランキングを作ってみた。カッコ内はセーブとホールド。各都道府県のセーブ+ホールド数上位2人も紹介する。

1兵庫県107(44SV 63HD)
増田達至(西)34(33SV 1HD)、宮西尚生(日)29(8SV 21HD)
2東京都70(19SV 51HD)
清水昇(ヤ)30(0SV 30HD)、秋吉亮(日)16(12SV 4HD)
3沖縄県69(1SV 68HD)
平良海馬(西)34(1SV 33HD)、嘉弥真新也(ソ)18(0SV 18HD)
4福岡県65(20SV 45HD)
三嶋一輝(De)23(18SV 5HD)、梅野雄吾(ヤ)12(0SV 12HD)
4大阪府65(7SV 58HD)
中川皓太(巨)21(6SV 15HD)、酒居知史(楽)12(0SV 12HD)

増田、宮西、福ら兵庫出身のリリーフが多い

 兵庫県は今、最も安定感のあるクローザーの1人である西武・増田に、NPBホールド記録保持者、史上最高のセットアッパー宮西がいる。さらに昨年、中日の「勝利の方程式」を担った福敬登、巨人の桜井俊貴も兵庫県。

 東京都は新人で最多ホールドをマークしたヤクルトの清水、そして元ヤクルトのクローザーで現日ハムの秋吉がいる。

 3位の沖縄県といえば、ソフトバンクのワンポイントリリーフ嘉弥真だったが、昨年は160km/hの剛速球で33ホールドを稼いだ西武の新人・平良が台頭した。

 福岡県は山崎康晃の後を受けてクローザーになったDeNA三嶋、大阪府はクローザーとセットアッパーで活躍した巨人・中川がそれぞれいる。

千葉は先発から転向した2人のセットアッパーが

6広島県54(6SV 48HD)
石田健大(De)25(0SV 25HD)、堀瑞輝(日)15(1SV 14HD)
7千葉県53(0SV 53HD)
高橋礼(ソ)23(0SV 23HD)、唐川侑己(ロ)14(0SV 14HD)
8和歌山県50(34SV 16HD)
益田直也(ロ)36(31SV 5HD)、岡田俊哉(中)6(3SV 3HD)
9静岡県49(4SV 45HD)
牧田和久(楽)24(2SV 22HD)、岩崎優(神)19(2SV 17HD)
10北海道46(2SV 44HD)
玉井大翔(日)22(1SV 21HD)、鍵谷陽平(巨)13(0SV 13HD)

 千葉県は美しいアンダースローのセットアッパー高橋と、ロッテの唐川。どちらも先発からの転向だ。

 和歌山県のロッテ益田も鉄板のクローザー。静岡県は、これもアンダースローでMLBから復帰して見事な活躍を見せた楽天の牧田和久を輩出している。

11愛知県42(4SV 38HD)
祖父江大輔(中)31(3SV 28HD)、平井克典(西)7(0SV 7HD)
12埼玉県40(2SV 38HD)
高梨雄平(巨)23(2SV 21HD)、大竹寛(巨)16(0SV 16HD)
13徳島県40(32SV 8HD)
森唯斗(ソ)38(32SV 6HD)、板東湧梧(ソ)2(0SV 2HD)
14神奈川県36(3SV 33HD)
松井裕樹(楽)10(2SV 8HD)、大江竜聖(巨)9(0SV 9HD)
15秋田県24(20SV 4HD)
石山泰稚(ヤ)24(20SV 4HD)
16香川県22(0SV 22HD)
塹江敦哉(広)19(0SV 19HD)、松永昂大(ロ)3(0SV 3HD)

SB森と坂東は板東英二の流れを継ぐ?

 愛知県は地元・中日で勝利の方程式を担ったベテラン祖父江。埼玉県はともに他球団から移籍して巨人の中継ぎで活躍する高梨と大竹を輩出している。徳島県といえば、救援投手の走りといえる板東英二の出身地だが、今はソフトバンクのクローザー森と坂東湧梧がいる。秋田県はヤクルトのクローザー石山が1人で背負っている。

17栃木県18(1SV 17HD)
澤村拓一(巨/ロ)15(1SV 14HD)、星知弥(ヤ)3(0SV 3HD)
18福井県18(0SV 18HD)
山田修義(オ)18(0SV 18HD)
19京都府17(1SV 16HD)
森脇亮介(西)17(1SV 16HD)
20熊本県15(0SV 15HD)
岩貞祐太(神)8(0SV 8HD)、伊勢大夢(De)4(0SV 4HD)
20三重県15(0SV 15HD)
谷元圭介(中)13(0SV 13HD)、桑原謙太朗(神)2(0SV 2HD)
20石川県15(1SV 14HD)
泉圭輔(ソ)8(0SV 8HD)、高木京介(巨)5(1SV 4HD)

ロッテで復活した澤村は栃木出身

 栃木県は、巨人からロッテに移籍して息を吹き返した澤村がいる。三重県は、日ハム時代勝利の方程式を担った谷元、そして阪神のセットアッパーとして活躍した桑原の出身地だ。

23奈良県14(1SV 13HD)
宮川哲(西)13(0SV 13HD)、吉田一将(オ)1(1SV 0HD)
24宮城県13(0SV 13HD)
馬場皐輔(神)9(0SV 9HD)、佐藤優(中)4(0SV 4HD)
25石川県15(1SV 14HD)
泉圭輔(ソ)8(0SV 8HD)、高木京介(巨)5(1SV 4HD)
26高知県12(3SV 9HD)
公文克彦(日)9(1SV 8HD)、藤川球児(神)3(2SV 1HD)
27山口県11(0SV 11HD)
平田真吾(De)11(0SV 11HD)
28茨城県9(1SV 8HD)
菊池保則(広)5(1SV 4HD)、髙橋優貴(巨)2(0SV 2HD)、石崎剛(ロ)2(0SV 2HD)
28新潟県9(2SV 7HD)
漆原大晟(オ)7(2SV 5HD)、椎野新(ソ)1(0SV 1HD)、金子弌大(日)1(0SV 1HD)
30島根県6(0SV 6HD)
福山博之(楽)6(0SV 6HD)

 高知県と言えば藤川球児だったが、引退後は日ハム公文に期待がかかる。新潟県は新人のオリックス漆原がセットアッパーとして小気味よい投球を見せた。

 島根県は、楽天で絶対的なセットアッパーとして活躍した福山がいる。今は故障からの回復途上だ。

31愛媛県5(0SV 5HD)
安樂智大(楽)5(0SV 5HD)
32富山県3(0SV 3HD)
中澤雅人(ヤ)3(0SV 3HD)
33群馬県1(0SV 1HD)
神戸文也(オ)1(0SV 1HD)
33佐賀県1(0SV 1HD)
田中豊樹(巨)1(0SV 1HD)
33長崎県1(0SV 1HD)
今村猛(広)1(0SV 1HD)

36宮崎県、大分県、岡山県、鹿児島県、滋賀県、鳥取県、岐阜県、青森県、岩手県、長野県、福島県、山形県、山梨県0(0SV 0HD)

 愛媛県の安樂は甲子園で活躍したが、球速は戻っていない。富山県、中澤は中継ぎで活躍した左腕だが、昨年限りで引退。長崎県、今村猛は広島3連覇時代こそ「勝利の方程式」を担ったが、故障もあって昨年は1ホールド。

モイネロらキューバ出身救援投手がブーム?

 最後に外国人と外国出身選手を見てみよう。以下、出身国と地域だ。

1米国205(38SV 167HD)
ブセニッツ(楽)31(18SV 13HD)、ハーマン(ロ)24(1SV 23HD)
2キューバ67(22SV 45HD)
モイネロ(ソ)39(1SV 38HD)、R・マルティネス(中)28(21SV 7HD)
3ドミニカ共和国55(36SV 19HD)
フランスア(広)26(19SV 7HD)、デラロサ(巨)22(17SV 5HD)
4ベネズエラ51(25SV 26HD)
スアレス(神)33(25SV 8HD)、エスコバー(De)17(0SV 17HD)
5台湾12(0SV 12HD)
宋家豪(楽)10(0SV 10HD)、チェン・グァンユウ(ロ)2(0SV 2HD)
6ブラジル2(0SV 2HD)
ビエイラ(巨)2(0SV 2HD)

 実は今、外国人の中継ぎ投手が増加している。MLBで実績があっても年俸がそれほど高くないうえに、日本人打者が不得手とする“動くボール”を駆使する投手が多く、いい働きを見せる選手が多いからだ。実際、47都道府県と比べてみると米国が最も多い数字になるし、キューバの67を上回るのは兵庫と東京だけだ。

 なかでも楽天はMLB出身の救援投手をよく獲得する。米国のブセニッツ、今はロッテのハーマンも楽天が日本に連れてきた投手だ。さらにシャギワもいた。

 広島はドミニカ共和国にアカデミーを開設しているが、フランスアもアカデミー出身。昨年はスコットの不振でクローザーに回った。

 キューバは昨今、投打で優秀な選手を輩出しているが、ソフトバンクのモイネロはマウンドに上がっただけで打者が戦意喪失するような絶対的なセットアッパーだった。奪三振率が抜群だった。中日のライデル・マルティネスは100マイル超の速球でクローザーとして活躍した。

 救援投手はエリートというより職人気質の選手が多いし、無名校からもいい選手がよく出る。救援投手の日本地図は、他の地図とは少し違った味わいがあるのだ。

(勝利数編、安打編、本塁打編、盗塁編もそれぞれ関連記事からご覧になれます)

文=広尾晃

photograph by Hideki Sugiyama/JIJI PRESS