ラ・リーガの試合撮影などを精力的に行っている現地在住の日本人フォトグラファー中島大介氏。そのオリジナル写真を定期的に掲載している(※写真は関連記事の【新着写真】からもご覧になれます)。

 1部にはヘタフェの久保建英、エイバルの乾貴士と武藤嘉紀、ウエスカの岡崎慎司が所属しているが、柴崎岳も2部のレガネスで昇格に向けて奮闘している。現地時間17日に開催されたアルメリア戦では柴崎は先発出場。チームも試合終了間際の勝ち越しゴールで2−1と勝利し、25試合終了時点で4位につけている。

 リーグ4連勝と波に乗るレガネスと柴崎だが、中島氏は1日のルーゴ戦と14日のアルバセテ戦の2試合の撮影に足を運んだ。なかなか日本では目にすることができないリーガ2部の様子と柴崎のプレーぶりについて振り返ってみよう。

ルーゴ戦に訪れると、地元ファンが……

 レガネスの本拠地ブタルケスタジアムは小高い丘の上のようなところにあり、機材を運ぶのには一苦労です(笑)。そこにスタジアムの壁を利用してボール遊びをする親子のファンがいました。

「日本人選手の名前、分かりますか?」と聞いたところ、お父さんが即答で、「Gaku, Gaku Shibasakiだろ?」と答えてくれました。

 娘さんにも聞いたところ、分からないと言われてしまいましたが、好きなのはキーパーのクエジャールだと渋い好みを教えてくれました。ユニホームの3番は、お父さんの好きなDFのウナイ・ブスティンサ選手でした。

 試合開始は19時。18時頃に撮影ポジションに入る際に、日没のスタジアムを撮影できました。

 新監督のもとで柴崎はベンチスタートとなりました。他にも何名かレギュラークラスだった選手もベンチからのスタートとなりました。見た限り、ピッチ上でボールを使ったアップはしていないようでした。

 なお、この週末の試合より、全ての会場でスタジアムに入る者は、FPP2相当のマスクの着用が義務付けられました。カメラマンの自分もそうですし、選手たちもそのようです。マスクの上からネックウォーマーをしている選手もいますが、冷たい風が吹いたこともあって、寒かったです。

 新体制となってベンチスタートとなった選手も多い中で、柴崎はどんな気持ちなんだろうと邪推する部分もありましたが、レガネスの同点ゴールではチームメートとともに喜んでいました。試合はアルナイスが獲得したPKなどでレガネスが逆転に成功しました。

 ちなみにベンチメンバーに目をやると、無観客試合ならではでしょうか。客席に持ち込まれたエアロバイクのマシーンで体を温める選手の姿もありました……。

 新監督からの指示を受け、ピッチに入った柴崎。ただしこの試合での出場時間は4分でした。そのわずかな出場時間の中で、相手の頭越しのパスからカウンターの機会を創出するなど、自らの特長を出そうとしていたように映りました。

アルバセテ戦、再びの途中出場の中で

 ルーゴ戦から2週間後のアルバセテ戦、この日はヘタフェvsソシエダに続く試合撮影となりました。メンバーの変更が行われ、この日も柴崎はベンチからのスタートでしたが、柴崎の巻き返しに注目して撮影に訪れました。

 試合は拮抗していましたが、18分、23分とレガネスが連続でゴールを挙げて優位に立ちました。FKで先制点を挙げたパルドは、ルーゴ戦でも直接FKを決めるなど、チームをけん引する働きを見せています。

 なおこの日もコロナ対策で観客席からの撮影ですが、ここはピッチと客席最前列がかなり近いため、至近距離で選手を撮影できます。

 前半終了の19時ちょっと前に日没を迎えました。前述した通り、スタジアムが小高い丘の上にあるので、機材を運ぶのに苦労しますが、夕暮れ時は絶景です。早く観客がスタジアムに戻り、この夕焼けの下、ビール片手に観戦しているところを撮影したいですね。

 なおハーフタイム、柴崎がアップに出て来ました。グラウンドキーパーとも一言かわしていたようでした。

惜しいクロスをあげる場面もあった

 投入前の指示を受けている際に、レガネスは失点。2-1になった直後の72分ピッチに入りました。得点差、投入時間を考えるとまずはしっかり守備から入っていきました。その一方で相手陣内深くまで侵入、惜しいクロスをあげていました。

 その流れの中でレガネスが追加点を奪って試合を決めました。その後も柴崎は中盤でボールをさばくなど、自らの役割をこなしていました。

 他の試合での撮影でも柴崎を連続写真で見ると、トラップする際にボールから視線を外している時間が他の選手よりちょっと長いんじゃないかな……と感じます。

 その技術が、その後のパスコースの確保に役立っているのだと感じた時がありました。

 監督交代後3連勝となったレガネス。チームの雰囲気は良さそうです。順位も昇格圏の4位です。なお試合後の柴崎は、デポルティーボで一緒だったアルバセテのカバジョと挨拶、ハグをしていました。柴崎がスペインでプレーするのは5年目となりました。着々とキャリアを積み上げてきたことを感じました。

 新監督のもとでメンバーを代えて連勝中というのは、柴崎にとって少し厳しい時が続くかもしれません。ただ直近の試合で先発で起用されていますし、少しづつ信頼を勝ち取っていって欲しいです。

文=中島大介

photograph by Daisuke Nakashima