2021年のセ・リーグ、猛虎躍進の予感が漂っています。矢野燿大監督率いる阪神タイガースは8連勝、貯金10に達するなど投打に好調で、首位の座をキープ。そこで「あれ? 実は今の選手のキャラ知らないかも」という“お久しぶりファン”の方に向けて、2021年阪神、主力選手のマメ知識を選手名鑑風に、写真も含めてご紹介します(全2回/野手編はこちら)

★藤浪晋太郎(ふじなみ・しんたろう)★
投手
背番号19
1994年4月12日生(27歳)
197cm/95kg
右投右打
NPB9年目

2015年の藤浪©Hideki Sugiyama

 高卒1年目から10勝→11勝→14勝と順当に球界のエースへの階段を駆け上がるも、4年目以降は長く暗いトンネルに迷い込んでしまった悩める剛腕。それでも、昨季終盤のリリーフ起用をキッカケに、今季は自身初の開幕投手、甲子園での1450日ぶり勝利など、復活の兆しを見せている。最速162kmのストレート、切れ味鋭いカットボール、スプリットは威力十分。ポテンシャルの高さが「球界最高峰」なのは誰もが認めるところ。今年1月に開設したインスタグラムのフォロワー数は早くも13万人超え。開幕以降は更新頻度も抑えめだが、ストーリー機能でファンの質問に関西出身者らしく笑いも交えて答えるなど、ようやく「らしさ」を取り戻しつつある。

2020年成績
登板数24 1勝6敗7H0S 投球回76.1 奪三振85 防御率4.01
2021年成績(4月26日時点)
登板数5 2勝1敗0H0S 投球回27.2 奪三振21 防御率2.60


★西勇輝(にし・ゆうき)★
投手
背番号16
1990年11月10日生(30歳)
181cm/81kg
右投右打
NPB13年目

©Kiichi Matsumoto

 2019年にFAでオリックスから移籍。重圧のかかる「FA戦士」でありがなら移籍後2年連続でシーズン2桁勝利を記録するなど、コンスタントに二桁勝利&150イニング前後をマークするイニングイーター。目の覚めるような剛速球はないが、ツーシームとスライダーによる「横の揺さぶり」で打者を手玉に取る。4月27日時点での通算勝利数は98で、今季中の100勝到達はほぼ確実。オリックスで一軍の先発ローテーションに定着した2011年以降、大きな故障離脱がないタフネスぶりも魅力のひとつ。チームメイトで2019年ドラフト1位入団の西純矢は、遠縁の親戚にあたる。

2020年成績
登板数21 11勝5敗0H0S 投球回147.2 奪三振115 防御率2.26
2021年成績(4月26日時点)
登板数4 3勝1敗0H0S 投球回27 奪三振15 防御率2.33

★ジョー・ガンケル★
投手
背番号49
1991年12月30日生(29歳)
196cm/102kg
右投右打
NPB2年目

DeNA阪口に“神対応”したジェントルマンなガンケル©Kyodo News

 サイド気味のフォームから繰り出される高速ツーシームでゴロを量産する長身助っ人右腕。来日1年目の昨季は主にリリーフで起用され、先発未勝利に終わったが今季は開幕から先発ローテの柱として4戦4勝と躍動するなど、エース級の活躍を見せている。4月25日のDeNA戦では三塁走者として本塁で接触した相手投手・阪口皓亮を優しく抱きかかえる姿がネットを中心に大絶賛されるなど、「ジェントルマン」な一面も持つ。絶好調の投球はもちろんだが、昨季、打率.273を記録した野手顔負けの打撃面にも注目してほしい。

2020年成績
登板数28 2勝4敗11H0S 投球回56.2 奪三振39 防御率3.18
2021年成績(4月26日時点)
登板数5 4勝0敗0H0S 投球回30.1 奪三振24 防御率1.78

★秋山拓巳(あきやま・たくみ)★
投手
背番号46
1991年4月26日生(30歳)
188cm/102kg
右投左打
NPB12年目

2015年の秋山©Nanae Suzuki

 西条高校時代には投手としてはもちろん、高校通算48本塁打を放ったスラッガーとして「伊予ゴジラ」の異名を誇った大型右腕。高卒1年目から一軍で4勝を挙げ、将来を嘱望されたが本格化したのは12勝を挙げたプロ8年目以降。大柄な体格の印象とは裏腹に昨季終了時点でのプロ通算与四球率(9イニングあたりいくつ四球を出すか)が1.60と、球界屈指の制球力を誇る。昨季は自身3年ぶり2度目のシーズン二桁勝利を記録し、今季も開幕ローテーションを手中に収めた。4月26日に30歳になったが、同じ誕生日には元チームメイトの福留孝介(中日)、現日本ハム監督の栗山英樹がいる。

2020年成績
登板数18 11勝3敗0H0S 投球回112 奪三振64 防御率2.89
2021年成績(4月26日時点)
登板数4 2勝2敗0H0S 投球回23 奪三振20 防御率3.91


★青柳晃洋(あおやぎ・こうよう)★
投手
背番号50
1993年12月11日生(27歳)
183cm/80kg
右投右打
NPB6年目

独特なサイドスローが特徴の青柳はマンガ好きだ(2018年撮影)©Nanae Suzuki

 サイドスローとアンダースローの中間の高さから平均140km超えの速球を投げ込む変則右腕。その独特な投法は「クォータースロー」と称される。プロ入りから一貫して先発で起用されており、4年目の2019年に先発ローテーションに定着して以降、2年連続で規定投球回をクリアしている。ボールを細かく動かしてゴロを打たせる投球が身上。クイックモーションの速さは球界随一で、盗塁を仕掛けられる回数が極端に少ない。無類のマンガ好きとしても知られ、プロ1年目の入寮時には300冊を持参。球団の公式YouTubeチャンネルでも自身の「オススメマンガ」を紹介している。

2020年成績
登板数21 7勝9敗0H0S 投球回120.2 奪三振88 防御率3.36
2021年成績(4月26日時点)
登板数4 2勝1敗0H0S 投球回26 奪三振17 防御率2.08

★伊藤将司(いとう・まさし)★
投手
背番号27
1996年5月8日生(24歳)
178cm/85kg
左投左打
NPB1年目

すでにお立ち台も経験した伊藤(中央)©JIJI PRESS

 横浜高校時代はエースとして同期の淺間大基、髙濱祐仁(ともに日本ハム)、渡邊佳明(楽天)らとともに甲子園に二度出場。高校の先輩でもある成瀬善久(栃木ゴールデンブレーブス)を彷彿とさせる球の出どころが見えにくい投球フォームが特徴の最速146km左腕。高校、大学、社会人を経てプロ入りを果たしたオールドルーキーだが、全てのカテゴリで全国大会を経験するなど、アマチュアでの実績は抜群。1年目ながら開幕ローテーションをつかむと、2戦目でプロ初勝利、3戦目で初完投を記録。貴重な左の先発要員として、シーズン通しての活躍が期待されている。

2021年成績(4月26日時点)
登板数3 2勝0敗0H0S 投球回21 奪三振13 防御率1.71

★岩崎優(いわざき・すぐる)★
投手
背番号13
1991年6月19日生(29歳)
185cm/89kg
左投左打
NPB8年目

独特なフォームが必見の岩崎©Kiichi Matsumoto

 阪神が誇る不動のセットアッパー。プロ入り3年目までは先発で起用されていたが、4年目の2017年にリリーフ転向するといきなり66試合に登板。2019年には48試合に登板して防御率1.01という驚異的な数字を残した。下半身が粘り強く、腕が遅れてくる独特の投球フォームから投じられる速球は「球速表示以上に速く感じる」との証言も多数。スライダー、チェンジアップといった変化球とのコンビネーションで打者を打ち取る。ピンチでも決して表情を変えないポーカーフェイスで淡々と打者を打ち取る姿は、チームメイト、ベンチ、ファンに絶大な安心感を与える。

2020年成績
登板数41 5勝2敗17H2S 投球回39.2 奪三振37 防御率1.82
2021年成績(4月26日時点)
登板数11 0勝0敗8H0S 投球回9.2 奪三振11 防御率0.93


★岩貞祐太(いわさだ・ゆうた)★
投手
背番号17
1991年9月5日生(29歳)
183cm/86kg
左投左打
NPB8年目

中継ぎとして地位を確立した岩貞©Kiichi Matsumoto

 プロ3年目の2016年には10勝を挙げるなど「先発」としてプロキャリアを歩んできたが、昨季途中にチーム事情もあってリリーフに転向。今季は開幕からリリーフ専念で同期入団の岩崎優とともにブルペンを支えている。最速150kmの力強い直球で打者の内角を強気にえぐり、カットボール、スライダー、フォークなど複数球種で三振を奪えるのも魅力。2016年の熊本地震で実家が被災したのを機に地元への寄付活動を行うようになり、今季はホールド数×5万円もしくは相当金額分の野球用具を熊本県の少年野球チームや運営団体へ寄贈する事が決まっている。

2020年成績
登板数38 7勝3敗8H0S 投球回71 奪三振63 防御率3.30
2021年成績(4月26日時点)
登板数10 1勝0敗7H0S 投球回9 奪三振9 防御率3.00

★小林慶祐(こばやし・けいすけ)★
投手
背番号56
1992年11月2日生(28歳)
187cm/86kg
右投右打
NPB5年目

オリックスから移籍で主力となった小林©Kiichi Matsumoto

 昨季途中に飯田優也とのトレードでオリックスから移籍した大型右腕。187cmの長身から投げ下ろす直球とフォークを武器とするパワーピッチャー。今季はキャンプ、オープン戦で結果を残し、開幕から大事な場面でのマウンドを任される機会も増えてきた。阪神移籍後は昨季登板の2試合と、今季4月27日時点での登板8試合の計10試合でまだ1点も奪われていない。このまま好投を続ければセットアッパー定着も見えてくる。4月16日のヒーローインタビューでは「顔と名前を憶えている方が少ないと思うので憶えてもらえるように頑張りたい」と語ったが、開幕から見せる安定感抜群の投球で知名度も急上昇中だ。

2020年成績
登板数9 0勝0敗0H0S 投球回9.2 奪三振10 防御率2.79
2021年成績(4月26日時点)
登板数8 0勝0敗1H0S 投球回7.1 奪三振8 防御率0.00


★ロベルト・スアレス★
投手
背番号75
1991年3月1日生(30歳)
188cm/95kg
右投右打
NPB6年目

ソフトバンクから移籍後、クローザーに収まったスアレス©JIJI PRESS

 ソフトバンクから移籍した昨季はリリーフ再転向が功を奏し、開幕直後にクローザーに。シーズン25セーブを挙げて自身初となるタイトルを獲得した虎の絶対的守護神。オフにはメジャー移籍の噂もあったが、推定年俸2億6000万円の2年契約で残留した。コントロールはややアバウトだが最速161km、常時150km台中盤〜後半をマークする剛速球と140kmオーバーのスプリットを武器に打者をねじ伏せる。今季も開幕から岩崎優、岩貞祐太と盤石のリリーフ陣を形成し、圧巻の投球で9回のマウンドに君臨している。ヤクルトに所属するアルバート・スアレスは実兄。

2020年成績
登板数51 3勝1敗8H25S 投球回52.1 奪三振50 防御率2.24
2021年成績(4月26日時点)
登板数10 1勝0敗0H6S 投球回10 奪三振10 防御率0.90

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文=花田雪

photograph by Kiichi Matsumoto