6月の月間MVPに輝いた、エンゼルス大谷翔平の勢いがさらに加速している。

 現地時間2日に行われたオリオールズ戦で「2番DH」で先発した大谷は2打席連発を含む4打数2安打3打点1盗塁。8−7と劇的なサヨナラ勝ちを飾ったチームを文字通り牽引した。

 同30日、ヤンキース相手の先発登板では1回持たず7失点KOと悔しい思いをした大谷だが、そのうっ憤を本拠エンゼルスタジアムでこれでもかというほど晴らした。

 第1打席こそセカンドフライに倒れたものの、2−6で迎えた3回裏、先頭打者の大谷は初球インハイに投じられた92マイルのストレートを力強く引っ張る。すると打球はいつものようにライトスタンドへと一直線に突き刺さり、反撃の狼煙を上げる29号ソロ本塁打となった。

大谷の29号本塁打©Getty Images

MLB公式が“連投ツイート”するほどの興奮

 そして、狼煙だけでは終わらないのが今の大谷だ。5−6と1点ビハインドの4回裏、一塁に走者を置いた場面では、4球目の外角低めにやや沈む96マイルのボールを逆らわず打つと、まるで“逆方向へ引っ張ったか”のような高弾道でレフトフェンスオーバーとなった。

30号本塁打©Getty Images

 この時点で勝ち越しとなる2ランは、日本人選手としては2004年の松井秀喜(当時ヤンキース)以来となる30号到達。MLB公式ツイッターアカウントは「ショウヘイがまたブチかました」「NUMBER30だ」と、動画とともに“連投ツイート”するほど。月間MVP獲得ならびにオールスター出場が決まった大谷に、現地での注目度の高さも伝わってくる。

四球で歩かされても盗塁、好走塁がある

 そして試合の締めも大谷だった。9回裏に四球で歩かされるとホームの大観衆からブーイングが上がったが、二死一塁の場面でスチールを敢行し、見事に成功。タッチにいったショートのグラブが顔面に入って顔を押さえたが、痛みはほぼなかったのか、思わず大谷もショートも微笑を浮かべた。

 そしてこのチャンスに4番ウォルシュがライト前に痛烈な安打を放つと、大谷は迷わず本塁に突入。足の長さを存分に生かしたスライディングで相手捕手のタッチより“一足早く”本塁に到達してサヨナラホームイン。仰向けになってガッツポーズする姿に中継したNHKの実況アナウンサーが「まさに大谷劇場でした」と感嘆の声をあげるほどの“主役感”で、スタジアムを熱狂させた。

本塁生還で倒れ込みながら審判と一緒にセーフ©Getty Images

「すごいファンの人にいっぱい入ってもらって」

 現地中継のフラッシュインタビューで大谷は「きょうはすごいファンの人にいっぱい入ってもらって、気分良く打席に入れたのでそのおかげかなと思います」と語った。

 過去にも大谷は「ピッチングにしてもバッティングにしても、自分の形をどれだけ高いレベルでできるのかなっていうところに楽しみがある」と語っていたことがあるが、走攻守そして投手すべてでマンガすら軽く凌駕するようなプレーを、大谷は見せつけている。

文=NumberWeb編集部

photograph by Icon Sportswire/Getty Images