エンゼルスの大谷翔平は現地時間12、13日(日本時間13、14日)に行われたホームラン競争とオールスターに出場。オールスターでは史上初となる投手・打者としての同時出場を果たし、日本人投手としては田中将大以来となる2人目の勝利投手となった。

三者凡退に抑えた大谷©Getty Images

 この1週間は松井秀喜の保持していたメジャー日本人シーズン最多本塁打記録を更新し、マリナーズ戦ではイチローとの“再会”も果たした。大谷の1週間の活躍ぶりと話題になった報道・出来事を成績や写真とともにまとめた。

<7月6日 vsレッドソックス>
5打数1安打
<7月7日 vsレッドソックス>
打:4打数1安打1打点
投:7回5被安打4奪三振2失点
<7月8日 vsレッドソックス>
4打数2安打1本塁打1打点

 5月のビジターゲームでのレッドソックス戦では「泳いでいるのにグリーンモンスター越え」の11号本塁打を放った大谷だが、ホームに迎え撃った3連戦でも7、8日の試合で魅せた。

自ら援護のタイムリーで4勝目ゲット

 まずは7日、リアル二刀流として投打同時出場した試合では、初回にいきなり先制点を許したものの、その直後の第1打席にライト線を鋭く破る同点タイムリー二塁打で自らを援護。捕手のスタッシが2ラン本塁打を放つなどエンゼルスがリードを奪うと、大谷は無四死球と安定した制球と、得点圏に走者を置いても要所を締めて7回2失点にまとめて今季4勝目をマークした。

 ピッチング翌日も打者としての出場が“日常”となっている大谷は、8日に大記録を達成する。

松井超え32号にイチローと再会で“お辞儀”

 5回、サウスポーのロドリゲスが放った内角チェンジアップをジャストミートすると、ボールはライトスタンドへ。2004年の松井の31本塁打を超える32号本塁打を、オールスター前に達成したということもあり、米放送局「CBSスポーツ」も「非現実な存在だ」と絶賛した。

大谷の“松井超え”32号©Getty Images

<7月10日 vsマリナーズ>
4打数1安打1本塁打1打点
<7月11日 vsマリナーズ>
3打数0安打1四球
<7月12日 vsマリナーズ>
4打数2安打1四球

 自らの樹立した日本人最多記録を、翌日あっさりと更新するのも大谷らしい。10日のマリナーズ戦では打った瞬間分かる超特大の弾道に、マリナーズ守備陣、アップトンらエンゼルスのチームメートもボールの行方を見送るほかなかった。

 2戦連発の33号は打球速度187.5キロ、飛距離は約141メートル。常人離れした「アッパーデッキ」弾は、史上6人目の快挙だった。

 ちなみにこのマリナーズ戦では会長付特別補佐兼インストラクターであるイチローとの再会を果たし、握手とお辞儀で敬意を払った姿を写真にとらえられていた。

週末のマリナーズ戦前に、大谷がイチローと握手しながらペコリとお辞儀©Getty Images

ホームランダービー、オールスターへ

 マルチ安打で前半戦最終戦を締めた大谷、その勢いに乗ってホームランダービー、そしてオールスターへと乗り込むことになった。

野球経験はないものの、大谷の指名で2021年のホームランダービーで捕手を務めた水原通訳(左) (C)Getty Images

 そのホームランダービー、大谷は練習からいきなり“155メートル弾”をブチ込むなど「ヒッターズパーク」として知られるクアーズフィールドに詰めかけた観客を驚かせた。しかしソトの一回戦では序盤に打球角度が上がらず、仕切り直しの休憩では捕手を務めた水原一平通訳に対して“疲れた”といった表情を浮かべる場面があった。

雄星のサポートや「大谷、半端ないって」

 そこでは同じくオールスター初選出で花巻東高校の先輩にあたる菊池雄星から水分補給の“力水”をもらう場面も。そこからペースが上がった大谷は残り数秒でソトに追いつき、延長戦でも再び同数に。最終的には再延長3スイングですべてスタンドインしたソトに軍配が上がったが、さすがのエンターテイナーぶりだった。

 ホームランダービーの観客の中には「大谷翔平、半端ないって」の応援幕を掲げたり、マリナーズのレジェンドで知られるケン・グリフィーJrがカメラを構えて大谷を激写する様子を伝えるなど、大谷の人気はアメリカでも急上昇なのが伝わる一幕もあった。

初オールスターで勝利投手の“勝ち運”

パープルカーペットを歩く大谷ら©Getty Images

 そして翌日、パープルカーペットを水原通訳とともにジャケットとシャツ姿で歩いた大谷は、オールスター本番を「1番DH」ながら先発投手として投げるというMLBの“特別ルール”のもとで登場した。打者としては第1打席ではナ・リーグ先発シャーザーの2球目をセカンドゴロ、第2打席はバーンズの初球をとらえきれずファーストゴロに終わった。

1番打者として2打席立った大谷©Getty Images

 ただ投手としては初回、現時点でナ・リーグの本塁打王の1番タティースJrをレフトフライ、2番マンシーをセカンドゴロ、そして3番アレナドには100マイル(161km)のストレートを投げ込むと、最後はショートゴロで三者凡退に打ち取った。

「簡単に“ワン・ツー・スリー”だ」

 エンゼルス公式ツイッターアカウントも誇らしげに大谷の好投を称えた。試合は2回表に1点を先制したア・リーグが、大谷とホームラン王を争うゲレーロJrの特大ホームランなどで着実に加点して5−2で勝利。大谷に初出場で白星が転がり込む形となった。

 試合途中、NHKや現地放送などのフラッシュインタビューに応じた大谷は前日と同じく「楽しかった」と語った。まさにフル回転の2日間となった大谷だが、常に笑顔を浮かべ、エンジョイしていた。その姿勢で後半戦もさらなる活躍を見せられるか。

文=NumberWeb編集部

photograph by Getty Images