バドミントン男子シングルスのホープで、“ポスト桃田賢斗”と目される20歳の奈良岡功大(IMG)が、2年後のパリ五輪出場に向けて意欲を高めている。6月には国内ランク上位者で争う日本ランキングサーキットで初優勝し、存在感をアピールした。

「やっと優勝できた。2位の選手と思われたくなかった」。昨年のこの大会と12月の全日本総合選手権でいずれも準優勝にとどまっていただけに、勝ち切れた喜びはひとしおだ。

 小学4年生から中学3年生まで全国大会で優勝し続け、青森・浪岡高校1年生だった'17年には全日本総合選手権で史上最年少勝利(16歳4カ月)を飾った。翌'18年にはユース五輪で銅メダルを獲得。次世代エース候補として注目を浴び続けてきた。

 ところが高校卒業の'20年3月ごろからコロナ禍に突入。国際大会が軒並み中止になり、世界ランキングポイントを手にする機会を失った。だが、実戦から遠ざかっても練習だけは手を抜かなかった。

 昨年10月と今年5月には国別対抗戦のトマス杯に出場。桃田らと練習で打ち合い、刺激を受けながら世界基準の対応力を手にし、5月のタイ・オープンでは4強入りした。

「成長したのは気持ちが揺れなくなったところ。もともとスキルはあると思っている」と語るように、威勢の良さも持ち味だ。

パリ五輪への挑戦

 パリ五輪の出場権を獲得するためのレースは来年5月1日にスタートする。シングルスは'24年4月30日付けの五輪予選ランク16位までに2人が入っている国には2枠が与えられる。

 奈良岡は現在、日本人4番手で世界ランク42位。「もうちょっと早く(上位に)行きたかったけど、ランキングが上がっていたタイミングで大会がなくなった。苦しかったけどしっかり練習を続けた成果が今、出ている」と胸を張る。

 持ち味はレシーブのうまさ。今後の目標としては「まずはA代表にしっかり入り、五輪の選考レースを回れるように頑張ること」と冷静に現在地を見つめつつ、「トマス杯を経験して、日本が強くなるためにも自分たちの世代が頑張らないといけないと思った。その中で自分が引っ張って行けるようにやっていきたい」と意気込む。強気のハートと勝利への執念を併せ持った逸材の成長から目が離せない。

文=矢内由美子

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