フェラーリは、エンツォ・フェラーリがフィアットのヘッド、ジャンニ・アニエッリと契約を結んだ1965年初頭に、生産車の開発に関与するようになった。この合意は、トップクラスのフィアットスポーツカーで使用するV6 ディーノ エンジンを提供することだった。このコラボレーションは、フォーミュラ2において1967年シーズンに公認された1600cc V6エンジンの使用に起因している。

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V6を搭載したディーノ 206GTと246GT/GTSは、フェラーリのためにピニンファリーナがデザインした。セルジオ・ピニンファリーナと彼のチームは、1965年3月にミドエンジンのベルリネッタの作業を開始。デザイナー アルド・ブロヴァローネは、将来のプロダクションモデルの特性をすでに示した初期計画を作成した。そして生み出されたのが、流線型のボディを備えた2人乗りのショートホイールベースのクーペだった。このようにして、1965年にディーノ ベルリネッタ スペチアーレ、1966年はディーノ ベルリネッタGT、そして1967年には2つのプロトタイプが生まれた。こうして、市販モデルのディーノ 206GTにつながった。これはフェラーリによって承認された最初のミドエンジンを搭載したプロダクションスポーツカーであり、308GTB GTSおよび328GTB/GTSから488まで、2人乗りミドエンジンフェラーリファミリーのベースとして存在する。多くの理由で、ディーノ206GTはフェラーリの歴史の重要な部分を占めており、これまでに製造された最も美しいスポーツカーのひとつともいわれている。

ディーノ ベルリネッタ スペチアーレは、1965年10月の第52回パリ・モーターショーのオープニングに間に合わせるように完成された。これは、フェラーリのコンペティション部門であるSEFAC(Scuderia Enzo Ferrari Auto Corse)に属するシャシーNo.0840に基づいて製作された。細長い形状のサイドエアインテークは、リアディスクブレーキを冷却するためにとりいれられた。競技用ディーノと同様に、インボードブレーキを備えている。湾曲したリアウィンドウは、クォーターライトウィンドウを形成する傾斜したリアピラーに合うように丸くスイープしている。なお、コンペティションカーとしての用途を考えていたため、右ハンドルであった。

ボディは伝統的なフェラーリレッドでペイントされ、インテリアもレッドが基調になっている。サイドウィンドウはドアハンドルで手動操作。ギアゲートはフェラーリの典型的なもので、短いレバーの上に磨かれた丸いアルミニウムノブが付いている。革製の3本スポークホイールが取り付けられており、中央に配置された大きなレヴカウンターの横には、油圧ゲージとベントがあり、右側には水温ゲージがある。ワイパーは一本だけ備えられている。

その後、ディーノ ベルリネッタ スペチアーレは、1965年10月の第52回パリ・モーターショー、1965年11月のトリノ・モーターショー、1966年4月のニューヨーク・モーターショーなど、何度か展示され、人々を魅了させたのであった。