世界各国の王室は、自動車の黎明期から最高級の自動車と長い付き合いをしてきた。10月10日に開催されるBonhams主催のオークション、The Zoute Saleでは、ベルギーのボードワン国王がファビオラ王妃との結婚式で使用したキャデラックなど、2台の王室専用車が出品される。

【輝かしいバックグランドを持った名車たち】(写真10枚)

このキャデラックに加えて、フェリーニの映画に登場し、サウジアラビアのスルタン・ビン・サウド王子がかつて所有していた1960年代のマセラティがクノッケ・ヘイストのレッドカーペットにも登場する予定だ。

1954年のキャデラック・シリーズ62コンバーチブル「ステート・リムジン」(推定落札価格900万〜1200万円)は、アメリカの自動車デザインの象徴であり、キャデラックの壮大な「フィン」の時代にデザインされ、有名なV8エンジンを搭載した、戦後のキャデラックの中でも最も憧れの的となっているモデルだ。1954年にベルギー王室に納入されたこのモデルは、分割式フロントベンチ、フロントガラスのピラーに取り付けられたハンドル、デュシャトレ社製のプレキシグラス製リムーバブルルーフなどのユニークな特徴を備えている。

ボードワン国王とファビオラ王妃が所有していたこの車は、1960年12月にロイヤルカップルのウェディングカーとして使用されたことで有名で、その後も多くの公式行事に参加している。現在のオーナーは、フランスのスペシャリストであるアトリエ・デ・コトーにこの車を預け、レストアを施している。

スルタン・ビン・サウード殿下は、フェリーニ監督の映画『精霊たちのジュリエット』に出演した1964年製のマセラティ3.5リッター・ミストラル・スパイダーの2番目のオーナーだった。この車は、ピエトロ・フルアがデザインした27台のミストラルスパイダー(推定落札価格4500万円〜5000万円)のうち、3.5リッターエンジンを搭載した3台目であり、クラシックな6気筒のマセラティとしては最後のモデルである。

映画に出演した後、この車は1965年にギリシャ・アテネのマセラティ代理店からスルタン・ビン・サウド殿下に売却された。その後、レバノンのベイルートにたどり着き、何度かオーナーが変わった後、1975年の内戦で損傷してしまった。しかし1988年に業者によって救出され、それ以来、2段階の大規模なレストアが行われている。

また、今回のオークションでは、他にもイタリアンエキゾチックカーが何台か出品される。

今回出品された1989年式フェラーリF40(推定落札価格1億3000万円〜2億円)は、ワンオーナーモデルで、ガレージフランコルシャンから新車として注文された。1992年から丁寧に保管されており、新車時からの走行距離は1,800km以下という極上コンディションのF40だ。

そしてこれは希少な1970年製マセラティギブリ4.7リッタースパイダー(推定落札価格6500万円〜。コーチワークはカロッツェリア・ギアによるもの。125台しか生産されなかったスパイダーのうちの1台で、20年間の一人のオーナーに所有されていたそうだ。

ランチアB24Sスパイダーアメリカ、コーチワークはピニン・ファリーナ、落札推定価格は1億2000万円〜9000万円。1955年のブリュッセル・モーターショーで発表されたB24は、ピニン・ファリーナの最も美しいデザインのひとつとして認められている究極のモデルだ。1年限定で240台が生産され、そのうちの181台が左ハンドルだった。プロの手によってオリジナルの仕様に復元されたこの車は、ハードトップと、非常に珍しいオリジナルタイプの「コンドル・エレクトロニック」ラジオを装備している。

この他にも、ランチアの貴重なコレクション、7台しか製造されなかった1955年型ファセル・ベガFV1カブリオレ(推定落札価格3600万円〜5800万円)、1957年型ACブリストル・ロードスター(推定落札価格4400万円〜5800万円)など、ヨーロッパの主要な自動車メーカーの優れた作品が出品されている。また、1962年のDB4シリーズ3サルーンを筆頭に、4台のアストンマーティンのスポーツカー(推定落札価格3600万円〜5800万円)は、すべてが左ハンドルである。

また、1994年製のブガッティEB110スーパースポーツ(推定落札価格2億6000万円〜3億2000万円、30台のみ製造された1台)も出品される。

オークションへの参加は、「Zouteセール」が開催されるZoute Grand Prixのチケットが必要となるが、オークションの様子はライブストリーミングで配信される。

Bonhams
https://www.bonhams.com/