フェラーリの最新2シーターベルリネッタ、296 GTBが日本に上陸し、報道陣に披露された。10月31日から順次、全国の正規ディーラーで展示される。

296 GTBのキーワードは「FUN TO DRIVE」の定義だ。ステアリングを握る楽しさという概念を根本から書き換え、限界まで攻めるドライビングに限らず、日常的な走行でも純粋な感動を味わえるモデルとなっている。

【モダンでシンプル。かつての名車を彷彿させるフェラーリ296 GTB】(写真4点)

モデルの名称は、フェラーリの輝かしい伝統に則り、総排気量(2.992リッター)と気筒数に、グラン・ツーリスモ・ベルリネッタの頭文字であるGTBが組み合わされたものだ。車名が強調するように、この新型エンジンは、フェラーリのこれからにとって重要なものとなる。フェラーリの70年以上におよぶモータースポーツでの経験に深く根ざした新たなV6時代の幕開けを告げる存在だといえるだろう。

296 GTBに搭載されるのは、従来の8気筒および12気筒のフェラーリ・パワーユニットとは異なる新たなエンジンタイプ、バンク角120°の新V6エンジン。エンジン単体での出力は663cv、これに電気モーターによって122kW(167cv)が上乗せされ、830cvという強大な総出力を誇る。フェラーリのバッジを付けたロードカーに6気筒エンジンが搭載されるのは、この296 GTBが初めてだ。

フェラーリの歴史におけるV6を振り返ると、初めてのV6はバンク角65°アーキテクチャーで、1957年に1500ccのF2シングルシーター、Dino 156でデビューした。続く1958年には排気量が拡大され、フロントエンジン・スポーツプロトタイプの196 Sと296 Sに搭載。F1でも246 F1に搭載され、同年にマイク・ホーソーンがF1ドライバーズ選手権タイトルを勝ち取っている。

V6をミド・リアに搭載した史上初のフェラーリは1961年の246 SPで、数々の優勝のほか、同年と翌1962年にタルガフローリオを連覇した。また、1961年にフェラーリに初のF1 コンストラクターズ・タイトルをもたらした156 F1は、バンク角120°のV6を搭載している。

フェラーリがエンジンのシリンダーバンク間に初めてターボを配置したのは、1981年の126 CK。続く1982年の126 C2はターボ搭載マシンとして初めてF1 コンストラクターズ・タイトルを獲得し、さらに翌1983年の126 C3が2度目のタイトルをもたらした。

V6ターボ・ハイブリッドのアーキテクチャーは、2014年以降、F1の全マシンで採用されている。296 GTBのプラグイン・ハイブリッド(PHEV)システムは、抜群の利便性を誇るだけでなく、ペダル・レスポンスをゼロにまで短縮し、電力のみを使うeDriveモードで25kmの航続距離を実現している。

また、車両のコンパクトなサイズと革新的なダイナミック制御システムの導入、磨き抜かれた空力によって、ドライバーは操作に対する敏捷性と応答性を即座に体感できる。スポーティーな波打つデザインと極めてコンパクトなサイズは、モダンなビジュアルでありながら、そのシンプルさと機能性の融合は、1963年250 LMのような名車を彷彿とさせる。

SF90 ストラダーレと同様に、車両の究極のパワーとパフォーマンスを特にサーキットで最大限に活用したいカスタマー向けには、軽量パーツや空力的モディファイを含むAssettoFioranoパッケージも用意されている。