とある興味深い911が11月27日にHISTORICS AUCTIONEERS主催で開催されるオークションに出品される。このポルシェはもともとドイツから日本に渡り、最終的にイギリスに行き着いた。しかし本当のストーリーは、2011年にベンダーの元に到着したときから始まる。

この車には、想像もできないようなポテンシャルが秘められている。

1986年3月に製造されたこの車は、オリジナルの左ハンドル、Gシリーズのボディで、73年に発売され、最新の米国衝突テスト規制に適合するように開発されたものだ。張りのあるボディにサンルーフはなく、リアエンドにはクラシックな3.2リッターのカレラエンジンが搭載されていた。この車は、約500kmの走行を経て、2019年6月1日に最終的に登録されるまで、10年以上かけてオーダーメイド仕様にナット&ボルトで徹底的にレストアされることになったのだ。

【新車を超えたか?レストモッドでより魅力的になったクラシック911】(写真10点)

ボディシェルにはディッピングが施され、RSR仕様の手巻きのスチール製ワイドアーチが取り付けられた。さらに錆びのないボディは強化され、丹精込めて仕上げられた。ボディシェルは8段階の塗装プロセスで仕上げられ、グラウシュワルツで塗装されている。前方のラゲッジコンパートメントにはセンターフィルの燃料タンクが設置され、ハンドメイドのキャップが取り付けられた。さらにキャビンから操作できる964の電動ダックテールスポイラーを装着。ドアハンドルは燃料タンクキャップのテーマを反映しており、車全体がひとつのテーマでさりげなく統一されている。

ワンオフのコンポジット製フロントバンパーとスプリッター、RSRスタイルのリアバンパー、そしてリアには、フルリビルドされた3.2リッターエンジンに964カム、46IDA(トリプルキャブ)PMO製キャブレター、K&Nフィルター&ハットが装着されている。

キーを回すと、MSDイグニッションとBKレーシング・ディストリビューターが作動する。シリンダーはフルリビルト、リラインされており、マシンワークはレッドテックが行い、ライトンが組み立て、BSモータースポーツのダイナモメーターでテストされた。ギアボックスは完全にリビルドされており、Wevo製のシフターとリンケージが装備され、231hp、223.4ft-lbを発揮する。このエンジンは、オリジナルとは異なり、フラットなトルクカーブを持つように設計されている。オリジナルは4800rpmまで回さないと209ft-lbに達しなかったのに対し、このモデルは3200rpmで209ft-lbに達するのだ。

これらの改良により、よりレスポンスの良いエンジンとなり、アクセルを踏み込めばすぐに気持ちよく走り出すことができるようになった。もちろんポルシェ特有の魅力的な空冷サウンドも健在で、最小限のバッフルを備えたM&K製のGT3スタイルのマフラーと、必要に応じてRHチップの音を消すためにキャビンから制御されるブロックオフバタフライバルブが装備されている。

エンジンルームは、ワイヤーハーネスとコイルを含めて、すべてにラッカー塗装が施されている。エンジンとギアボックスのマウントとブッシュには、クラブスポーツ・ラバー・コンパウンドを使用。フロントディスクはアメリカのRebel Racing製で、フロントは28mm×318mmに拡大され、996のキャリパーとブレーデッドラインが装着されている。また、リアには996のキャリパーとディスクを装着。ホイールはZuffenhaus社製の3ピース17インチFuchsホイール、リムはつや消しアルマイトリムで、Toyo Proxes R1Rタイヤが装着されている。

サスペンションはBilstein HD Sportダンパーとインサートが採用され、レザー加工が施された固定マウントのフロントストラットブレースが装備されている。フロントとリアには、エレファント・レーシング社製の中空スタビライザーが装着され、カラーテーマに合わせてアルマイト処理が施されている。トーションバーはフロントが21mm、リアが27mmで、ノースウェイ・ポルシェ社によってファストロード用にジオメトリーが設定されている。

ヘッドランプはHIDユニットで、高出力オルタネーターを装備している。エアコンはラゲッジコンパートメントに設置されたオール電動式で、ブレードヒューズ付きの最新型ヒューズボックスを備えている。また暖房は、ラゲッジベイに隠された電気ヒーターを経由してキャビンへと配管された。

インテリアも美しさが際立っている。まるでエドワード・グリーンの靴やパテック・フィリップの時計のように洗練されていると表現したいほどだ。シートはロリポップスタイルで、千鳥格子のワンオフでデザインされている。センターコンソールもツインステッチの特注品で、テーマに沿ったコンパートメントとなっている。ダッシュボードはシンプルにリモデルされ、カラーコードとキャリブレーションが施された新しいクロノが装備されている。ドアとパネルには、特注のクォーターカード、アルカンターラ製のグローブボックス、ハンドル、ヘッドライナー、リモートセントラルロックが装備されている。

このユニークな911の予想落札価格は、約1850万円〜2110万円となっている。

HISTORICS AUCTIONEERS
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