車、ヨット、インテリアなど、“本物“のラグジュアリーを取り扱う安田造船所が次に仕掛けるのは「高級家具の二次流通市場」。CEOの野澤隆之氏に、オープンしたばかりのYOKOHAMA BAYSIDE WAREHOUSEで、その想いを伺った。


横浜市金沢区の海沿いに、かつては造船所だったという巨大な倉庫が建っている。この場所を利用してYOKOHAMA BAYSIDE WAREHOUSEがオープンした。

【画像】センスの良さが光るYOKOHAMA BAYSIDE WAREHOUSE(写真5点)

入り口は開放的で、まるで海外の倉庫店のようだ。マリーナに面した通りを歩く人たちが気軽に覗いていく。秘密基地のような空間に並んでいる商品がヴィンテージや一流ブランド家具、アート作品であることに気づくと一瞬驚いて、その場所と置かれている品とのギャップに思わず笑みもこぼれる。取材時はまだプレオープンだというのに、すでにいくつかの家具には「SOLD OUT」の札が掛かっていた。

高級家具のセカンドハンドマーケットという新しい挑戦を仕掛けたのは、安田造船所CEO野澤隆之氏だ。公道のF-1と呼ばれるダラーラストラダーレ、イタリアンクルーザーのAZIMUTなど、数々のラグジュアリーブランドを手掛けてきた野澤氏は、近年イタリアのアウトドア家具、Paola Lentiを取り扱うにあたり、東京・京浜島の桟橋をピア・ラウンジに仕立てたイベントを開くなど、新たな価値の創造に余念がない。ここもまた氏の新しい“仕掛け“のひとつなのだ。

「車も洋服も簡単に買い替えられますが、インテリアを買い替えるのはハードルが高い。なかなか実現できないのは、長く愛用した家具を引き取ってもらうに相応しい専門サービスの不在です」

氏は高級家具の買い取りと販売をセットにして、新しい業態を創り出そうとしている。
「車もヨットも不動産も、高級品の二次流通市場がしっかりあるのに、高級家具の二次市場が日本にないことを以前から不思議に思っていました。ならば高級家具のセカンドハンドに特化したマーケットを創ろう、と。100年使える高級家具でも、10年、20年も使えばオーナーのライフスタイルも変わってきます。価値ある家具は次世代に受け継ぎ、新たな一次流通市場を活気付けるためにも、この場所が必要なのです」

描いたのはサステナブルな高級家具のセカンドハンドマーケット

単なるセカンドハンド家具店ではない。価値あるラグジュアリーを次の世代に受け継ぐという「価値の再設定」は、安田造船所のSDGsでもある。そのため本来は自社ショップでしかお目にかかれないブランド家具を組み合わせる自由なコーディネートが体験できる場所にしようと、店奥にスタジオスペースを建設中だ。倉庫内部の構造体を残したまま、さらにガラス張りのラウンジを作ったり、飲食を提供する店舗機能も付加される予定だという。ここYOKOHAMA BAYSIDE WAREHOUSEは進化する場所なのだ。

だが野澤氏は同時に、ここは「店ではない」と断言する。
「ここはメディアです。イベントスペースとして活用するなら店頭は解放したまま、シークレットイベントを開くこともできますし、カフェやレストランを開いてもいい。車を入れてパーティを開いたり、AZIMUTのオーナーズイベントも企画できるのではないでしょうか」

その言葉通り、店先に非売品として並べられたミノッティのソファは、外を眺めながら寛げるカフェテーブルが添えられている。背後にはBBQグリルが用意されていて、いつでもイベントを開くことができる状態だ。

「地域の方々に支持される場所作りがしたいのです。地方創生との結びつきを目指して、トレーラーハウスを改造したグランピングトレーラーを試作して展示しています。今後は本格的な販売を目指しています」

ここは野澤氏の自由な想いを形にできる場所だ。

YOKOHAMA BAYSIDE WAREHOUSE
〒236-0002 神奈川県横浜市金沢区鳥浜町14-19
Tel: 045-352-8909
営業時間 10:00〜18:00 不定休

文:池田保行 写真:高柳 健 Words: Yasuyuki IKEDA Photography: Ken TAKAYANAGI