フィアット・ディーノは、1966年のトリノモーターショーで、後にフェラーリ社のディーノ246となるディーノ・ベルリネッタGTとともに発表された車である。4カムシャフト、2リッターのV6エンジンを搭載し、フェラーリのスポーツレーシングユニットであるディーノ166Pと246グランプリエンジンの血統を受け継いでいる。

フィアット・ディーノにはベルトーネデザインのクーペと、ピニンファリーナデザインのスパイダーの2種類が存在した。しかし、コレクターの間で最も人気があるのは、2.0リッターと2.4リッターのスパイダーだ。『スポーツカー・マーケット』誌は「スパイダーは、1960年代にピニンファリーナのスタジオから生まれた最も美しいデザインのひとつであり、トップギアで低回転から加速しても、シームレスなパワーデリバリーが可能」と述べているが、まさにその通りである。

【画像】レストアベースに!バーンファインドのフィアット・ディーノ(写真15点)

ディーノといえばフェラーリ製を思い浮かべる人がほとんどだとは思うが、なぜこのフィアットのスポーツカーにディーノという名前がついたのだろうか?

当時、フェラーリは新たに開発した2.0リッターV6エンジンを搭載したマシンで、F2に参戦することを計画していた。しかしそのためにはこのV6エンジンを搭載した市販車を500台以上生産しなくてはならないというホモロゲーションが存在しており、メーカーとして規模の小さいフェラーリが、500台もの市販車を販売することは難しかった。そんなフェラーリへ救いの手を差し伸べたのがフィアットだ。当時のフィアットの会長、ジャンニ・アニェッリがフェラーリの愛好家であったこともあり、フェラーリ製のエンジンを積んだフィアットのスポーツカーが誕生することとなった。

フィアット・ディーノは以前にもoctane.jpにて詳しく紹介しているので、そちらをぜひご覧いただきたい。

今回、ヒストリックスオークショニアズに出品された左ハンドルのフィアット・ディーノは、ブラックのインテリアにバーガンディのコーチワークで仕上げられたバーンファインドものの1台だ。

1977年に製造されて以来、このディーノは納屋で保管されており、レストア・プロジェクトがオプションとして付属して、市場に登場することになった。2リッターV6ディーノエンジンはレストアすればまだまだきちんと動くポテンシャルがある上に、非常に希少な純正ハードトップを含む多くのオリジナルパーツがレストアのために用意されている。

さらに1976年6月14日付の購入時の領収書と、現在の英国登録書類も残っている。ディーノのスペシャリストである24 Hundred of Kentは、このフィアットが一度も溶接されたことがなく(つまり事故車ではない)、レストアのベース車両として最適であると確信しているという。このフィアット・ディーノ・スパイダーは、新たに価値あるレストアベースを探しているオーナーにとっては素晴らしいベース車となるだろう。もちろん意義ある投資となることは間違いない。