ランボルギーニを手に入れるには、1000万円以上が必要となるのは当たり前のことだろう。クラシックモデルでも、3000万円〜といったものが大半を占め、ミウラといったものになれば2億円を超えることもある。

しかし、1960年代のランボルギーニでも100万円代で手に入る一台がある。それは、ランボルギーニらしいスーパーカーではなく、農業用トラクターだ。もともと、ランボルギーニは、1947年にフェルッチオ・ランボルギーニが戦後イタリアでのトラック不足に目を付け、その後トラクター事業をスタートさせたことにある。

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1949年には排気熱で軽油を気化する「イン・パボリザトーレ」という安価でエネルギーを賄うことができるシステムを開発。1960年からはボイラーやエアコン等の製造販売など行い、富を得ていった。60年代初頭は、トラクター事業を行う傍らでスーパーカーの開発プロジェクトも進めていき、1963年に打倒フェラーリを掲げてアウトモビリ・ランボルギーニを創立させた。1963年のトリノ・ショーで発表した350GTVは、ジオット・ビッツァリーニがエンジンを手がけ、鬼才フランコ・スカリオーネがデザインを手がけたという贅沢な一台だった。そのような車を開発しながらも、トラクターの製造は行われていた。 



ランボルギーニが製造していたトラクターは、ひとつの歴史を象徴する存在として今もなおファンにとってコレクターズアイテムになっている。その中でも、特に成功をおさめたトラクターが、1961年〜1967年に生産された2Rである。3気筒 ディーゼル直噴エンジンは39馬力を発揮し、トランスミッションは6段MTが備えられた。フューエルシステムには当時、最高のクオリティを持ったボッシュ製のものが採用されていた。これらが組み合わさったトラクター 2Rは、2000台の販売というヒット作となったのだ。 



そして、2020年2月6日にフランスで開催されたオークションに一台の2Rが出品され、推定落札価格は300万円前後であったが約180万円の価格が付けられた。2019年に、ランボルギーニが認めるスペシャリストによってレストアされているという、コンディションは極めて良い一台だ。オリジナル同様に、オレンジとブルーにリペイントされ、エンジン等も入念なチェック&リビルドがされている。 



さらには、レジスターブックや、レストア過程での写真、フェルッチオ・ランボルギーニ・ミュージアムの認定書も付属している。保存されている車としては、特筆できるほど良い条件での出品だといえるだろう。それでも、100万円台で手に入る、正真正銘の「ランボルギーニ」なのだ。