いまだ「世界で最も美しいコンペティションカー」の一台として名高いフェラーリ250GT SWB は、1959年のパリ・サロンでお披露目されたモデルだ。

SWBの名が示すように、ホイールベースを短縮して運動性を高め、軽量を施し、ハイパワーでありながら、そのパワーに負けないサスペンションと四輪ディスクブレーキを備え、世界的な成功を手に入れた。167台が製造され、イギリスに入ったのは10台だけだ。
 
1960年から1961年にかけて、SWBはスターリング・モスやフィル・ヒルといった大物ドライバーのドライブにより、RACツーリスト・トロフィー、ツール・ド・フランス・オートモビル、パリ1000kmといったレースで優勝を飾っている。そして1961 年のル・マン24時間レースでは、フェラーリのプロトタイプ2台に続き、総合3位の栄冠をも手中に収めている。


 
このシャシーナンバー"1995GT "は、そのレースでの実績がフィードバックされたセミ・コンペティツィオーネであり、コンペティション仕様のエンジン、ギアボックス、100リッター燃料タンク、リミテッドスリップデフを搭載している。イギリスでも有数のV12フェラーリコレクター、故リチャード・コルトン氏が所有していたもので、この"1995GT"は現代でいうところの「レストア」が一切されておらず、その点は熱心なコレクターにとっては魅力的であろう。
 
コルトン氏はこのロッソ・コルサの"1995GT"で、天候に関わらず、気ままにヨーロッパ大陸へのグランドツーリングを何度も楽しみ、約6万マイル(9万7000km)を走破していたそうだ。