塩野義製薬が開発した、国内初の新型コロナウイルスの飲み薬「ゾコーバ」が承認されました。軽症の患者にも使用でき、感染拡大防止効果も期待されますが、一体どんな薬なのか?注意すべき点や普及への課題などを、関西福祉大学の勝田吉彰教授に聞きました。

■効果は「症状が短縮」

(関西福祉大学・勝田吉彰教授)
「基本的な作用はウイルスの数を増やさないこと。せき・発熱・鼻水・のどの痛み・倦怠感、いわゆる軽症の症状が、8日間から7日間に1日短くなることが証明されている。まだウイルスが増えていない初期に投与する必要がある」

症状が8日間から7日間に“1日短縮”されるという「ゾコーバ」の効果は、インフルエンザの治療薬「タミフル」も同じです。

(関西福祉大学・勝田吉彰教授)
「発熱が1日短くなる。『たったそれだけ』と思う人もいれば、『大事な取引、受験があるから助かる』という人もいる。(接種には)個人の事情も考慮する必要があり、全員にということではないと思う」

■課題は「コスト」

タミフルと大きく違うのは、コストです。

(関西福祉大学・勝田吉彰教授)
「(ゾコーバなど)新型コロナの薬は大体10万円かかる。インフルエンザ治療薬のタミフルがざっくり1500円なので桁が2つ違う。医療費の公費負担が無くなってしまうと、3割負担でも3万円かかる」

例えば、高齢者施設でインフルエンザの感染者が出た場合、周囲の人にタミフルを投与し、クラスターを防ぐことがあるといいますが、新型コロナの薬はまだ価格が高すぎるので、なかなかできません。

■“薬の飲み合わせ”に注意

また、「ゾコーバ」の処方上の注意点として、併用できない薬が多くあることが挙げられています。

(関西福祉大学・勝田吉彰教授)
「この薬には飲み合わせの問題が色々ある。36種類の薬が一緒に飲んではいけない事になっている。中にはポピュラーに使われる薬、例えば痛風、不整脈、血圧の薬や、一部睡眠薬もある。医師が判断し、チェックリストを作って、同意書をいただく必要がある」

そのため勝田教授は、新型コロナの治療薬として「ゾコーバ」に過度な期待が集まる事に釘を刺します。

(関西福祉大学・勝田吉彰教授)
「あたかもこの薬がゲームチェンジャーになって、これが出来たことで風邪と同じになるという人もいるが、この薬が気軽にコンビニで買えるという事は、将来にわたっても100%ないと断言していい。風邪薬と同じ扱いを一部の人は期待しているようだが、(飲み合わせの問題もあり)残念ながらそうはならない」