佐伯市の社会福祉法人「わかば会」(三浦好理事長)は、障害者支援施設「清流の郷」(市内堅田)に河川氾濫を想定した避難棟「堅田ひなん棟」を建設した。近くを流れる1級河川・堅田川があふれた場合、利用者や近隣住民ら440人を収容できる。同法人によると、津波を想定した避難施設は数多くあるが、河川氾濫に特化したものは全国的に珍しいという。3日、現地で落成式があった。

 清流の郷では現在、25〜88歳の重度障害者約50人を受け入れ、ほとんどが車いすやストレッチャーを使用している。
 昨年8月、台風10号による洪水で岩手県岩泉町の高齢者グループホーム入所者9人が犠牲になった。清流の郷も道路を挟んで堅田川が流れており、「人ごとではない」と建設に着手した。
 避難棟は鉄骨2階(延べ床面積568平方メートル)で支援施設の隣に建てた。2階(地上約4メートル、収容人数220人)にトイレと調理室、屋上(同約8メートル、220人)には非常用発電機と給水タンクを備えている。2階まではスロープを整備し、車いすなどでも避難できる。今後、水や食料などを備蓄する予定。市の「緊急避難場所」として近隣住民にも開放する。
 行政の補助は受けず、総事業費9500万円は自前で確保した。
 落成式には施設の関係者や地域住民ら約100人が出席。三浦理事長が「避難棟を活用し、施設や地域から犠牲者を出さないよう努めたい」とあいさつ。田中利明市長が三浦理事長に緊急避難場所指定標章を交付した。