四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)は3号機が再稼働し、1号機は廃炉が決まった。注目されているのは残る2号機の行方だ。
 「運転再開を前提に技術面や経済性を検討している。遅くとも年内には判断したい」。再稼働か廃炉か。佐伯勇人社長は6月の株主総会後、高松市での会見で決断時期を明かした。
 2号機は2022年3月に運転開始40年となる。原発の稼働は「原則40年」とされたが、国の原子力規制委員会が認めれば最長20年の延長が可能。運転を延ばすには多額の安全対策費が必要となり、四国電は「投資に見合う収益が見込めない」と1号機を廃炉にする。
 2号機を存続する場合、四国電は20年延長を視野に入れるとみられる。再稼働には規制委の新規制基準適合性審査だけでなく、「地元」の同意が必要。3号機を再稼働させる際は、災害対策の重点エリア(原発30キロ圏)外の大分県の自治体は蚊帳の外に置かれた。
 「周辺県の同意を」と求める声が再燃しそうだ。

 使用済み核燃料をどうするか。1年前に3号機を再稼働させた四国電は深刻な課題に直面している。
 核燃料は最終的に青森県六ケ所村の再処理工場に運ぶ計画だが、同工場の稼働時期は不透明。既存の貯蔵プールは24年度ごろに満杯になる。16年12月、佐伯社長は原発敷地内で一時保管する乾式貯蔵施設の新設検討を表明した。
 高温の核燃料は使用後も冷やす必要がある。現行は建屋内の貯蔵プールで水を循環させて冷やす「湿式」だが「乾式」は少なくともプールで数年間冷却後、特殊な金属容器に入れ、空気で冷やして保管する。災害にも比較的強いとされ、福島の乾式施設は津波を受けたが、容器内の燃料に問題はなかったという。
 一方、立地自治体には「仮置きが半永久的になる」と警戒する声もある。中村時広愛媛県知事は「乾式施設でずっと保管しないことを明確にしてほしい」と四国電に注文している。

 廃炉が決まっても作業完了まで数十年はかかる。大分県は「対岸の原発」に向き合わざるを得ない。
 県市長会(会長・佐藤樹一郎大分市長)は7月28日、同市内で事務レベルの作業部会の初会合を開き、緊急事態時に直接連絡をもらえるよう四国電に求めていくべきか議論を始めた。
 「住民は安全かどうかの情報を早く知りたい」「伊方原発は目の前にある。人ごとでは済まされない」
 出席した各市の防災担当者は口々に語った。