他の産業に比べ発生頻度が高い林業の事故を減らす取り組みを、大分県と大分労働局が連携して始めた。事故の発生状況や林業従事者の労働実態について情報を共有。共同で事故の原因究明に当たり、発生防止に役立てる。林業従事者に向けて安全意識向上の啓発活動も強化する。
 協定を7月、県農林水産部の中島英司部長と大分労働局労働基準部の足立和也部長が締結した。
 県によると、昨年の県内林業従事者の死傷者数は54人。労働者千人当たりの死傷者数は39・5人で、林業の全国平均(31・2人)よりも高い。事務職なども含めた全産業平均は2・2人となっており、林業事故の発生を減らすことが喫緊の課題となっている。
 協定では、事故の状況や県では把握が難しい請負で働く林業従事者に関する情報を共有。事故が発生した場合は林業知識のある県職員が労働局に助言することでより詳細に原因究明をし、共に再発防止策を検討する。
 大分労働局によると、林業事故が減らない背景には人工林が伐採期を迎え作業量が増えている一方で、従事者の高齢化が進んでいることがある。県内で2014〜16年に林業事故で死亡した9人のうち6人が60歳以上だった。労働局健康安全課は「ベテランの慣れからくる油断がミスにつながったり、加齢で若い頃は避けられた危険に対応できなくなっている」とする。
 県は、林業の現場では広い範囲に従事者が散らばって作業をするため、現場リーダーの目が行き届きにくいことも事故が減らない要因に挙げる。
 県と労働局は今後、安全意識向上の啓発を強化。従事者の体調や手順、危険箇所の確認を徹底することで県南の森林組合が成果を上げている作業前ミーティングの実施を呼び掛ける。県はチェーンソーの防護服など安全装備への助成拡充も検討している。
 県林務管理課は「若者の参入を増やし、後継者を増やすためにも安全な作業環境をつくる支援をしたい」としている。