福岡・大分豪雨ではペットも被災した。県によると、日田市内では災害で犬1匹が水死したとみられる一方、孤立状態が続いた同市小野地区では、残った住民が飼い主に代わって世話をする姿もあり、住民同士の絆が動物の命を守っていた。ペットの安全を案じ、避難所へ逃げることをためらう人もおり、動物との同行避難の在り方などが改めて問われている。

 県や市によると、12日まで孤立状態が続いた大鶴、小野両地区には10、11の両日、獣医師らが入った。犬や猫など自宅に取り残された44匹の健康状態を確認したところ、問題なかった。
 小野地区のパート従業員熊谷孝子さん(60)は、大雨が降った5日だけ地元の公民館で過ごし、自宅に戻った。愛犬のタロウ(雄、14歳)とコウヘイ(雄、4歳)の様子が気掛かりだったからだ。
 孤立状態が長引くと、地区外に避難した近所の知人からも「犬を置いたままで心配」などと連絡が入り、地区内を回って餌や水を与えた。「犬が好きだし、放っておけなかった。生きてて本当に良かった」
 今回の水害では避難所への同行避難は犬と猫の計3匹。県西部保健所や市内の動物病院も無料で一時受け入れに応じたが、実際に預かったのは犬4匹だけだった。この他、被災者が飼えなくなった犬3匹を保健所が引き取った。
 被災地を回った県動物愛護推進員の女性(52)は「もし人口密集地域が被災していたら、小型犬を中心に同行避難が大幅に増えたはず。避難場所を事前に決めておくなどの対応が求められる」と指摘する。市内の動物病院関係者からは「被災者が相談しやすいよう、動物病院をもっと活用しては」との声も出ている。
 県は昨年2月に策定した被災動物救護対策指針に基づき、7月6日に対策本部を設置。獣医師らと連携して情報収集に当たった。
 佐伯久本部長(県食品・生活衛生課長)は「ペットと一緒に避難所に入りにくく、車中泊をせざるを得なかった避難者もいると聞く。ケージの置き場や受け入れ可能数などを事前に決めておくことも考える必要がある」と話している。