新日鉄住金大分製鉄所(大分市西ノ洲)は7日、今年1月に大規模な火災が発生し、休止していた厚板工場の操業をおよそ7カ月ぶりに再開したと発表した。火元となった工場に隣接する主電室の建て替え、初期消火の機能強化など復旧の設備投資に250億円を充てた。当面は国内にある同社の3製鉄所での代替生産を続けながら、徐々にフル稼働を目指す。
 厚板工場の火災は1月5日未明に発生。主電室から出火し、およそ35時間後に消し止められた。
 同製鉄所によると、焼けた工場の製造ラインを制御する地上2階、地下1階の主電室(延べ9300平方メートル)を新設。出火原因とみられる電力を供給する制御基板は、同タイプが薄板工場などを含め構内の292カ所にあり、全てを取り換えた。
 この他、再発防止に向け、煙・熱の検知器や散水システムの設置、電源を一括して遮断する装置などを設けた。安全対策が整ったとして6日に工場を再開した。
 大分製鉄所は船舶や橋といった大型建築に使われる厚板の主力拠点。国内生産量約500万トンのうち、半分近い240万トンを生産していた。火災後は厚板に加工する前の半製品を同社の鹿島(茨城県)、君津(千葉県)、名古屋(愛知県)の3製鉄所に送り、代替生産を実施。大分製鉄所の再稼働が軌道に乗るまで当面は続ける方針。
 同製鉄所によると、復旧の設備投資とは別に生産減などの損失額は278億円。また、1月の火災以降も作業車の炎上など、今年になってトラブルが9件と相次いでいる。
 同製鉄所は「一連の事故を真摯(しんし)に受け止め、再発防止対策に継続的に取り組み、信頼の回復に努めてまいります」とのコメントを出した。