九重町松木の宝八幡宮で今月上旬、秋季大祭があった。高齢化などの影響で3基のみこしを担ぐのは今回で最後。来年からは軽トラックに乗せての巡行となる。集まった多くの住民らはみこし担ぎの伝統を名残惜しそうにまぶたに焼き付け、カメラのシャッターを切っていた。
 秋季大祭は毎年7〜9日に開催し、県指定無形民俗文化財の「宝楽」を氏子らが奉納して五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災などを祈る。3基のみこしは7日の「お下り」と9日の「お上り」で使用し、宝八幡宮から3キロほど離れた恵良の紅梅山神幸所まで運んでいる。
 住民らでみこしを担いできたが、高齢化などに伴い年々担ぎ手が集まりづらくなっていた。今春の総代会で「担ぐのは今回で最後」とし、来年以降は軽トラック3台にみこしを乗せて地域を回ることに決めた。
 9日は神事の後、楽の一行が境内で宝楽を奉納。その後、約30人の男衆が勇ましくみこしを持ち上げ、宝八幡宮まで練り歩いた。
 甲斐素純宮司(65)は「時代に合わせて柔軟に変化することも大切。継続を第一に考えた」。武石裕臣総代会長(77)は「地域にみこしを届け続けるために決断した。来年以降、形が変わってもしっかり地区を回りたい」と話した。