【連載「働く」を考える】第3部 働きやすさ求めて ◆オキジム 何も置かれていないすっきりとしたデスクが広がるオフィス。事務機器などを販売する「オキジム」(新里哲郎社長、本社・浦添市)は5年前、職場環境の大改造に取り組んだ。 断捨離を敢行して紙ごみを減らし、文書資料を徹底的に電子化。営業部は、1人1台あったデスクを無くし、固定席を設けないフリーデスクにした。 入社7年目の営業部員、与那嶺吉人(よしと)さん(40)は「正直、最初は戸惑いがあったが、人は慣れる。業務効率がぐっと良くなった」と語った。 セキュリティー機材も扱う同社。きっかけは「顧客情報を守る対策を、自ら実践すべきだ」という新里社長の指示だった。 もともと社内に「オフィスのプロ」がそろっており、専門知識のあるメンバーを交え、チームで解決に当たった。    ■  ■ 特に力を入れたのが、紙を出さないレスペーパー化と情報の電子化だ。 法律上の保管義務を専門家に確認しながら、トラック何台分もの紙ごみを捨てた。物を減らしたことで、別のフロアにいた総務部が一緒になり、コミュニケーションがスムーズになった。 文書は電子管理し、自分で検索して探せるように。「以前は書類を探すのに1時間かかることもザラにあった。電子化で探すロスがなくなった」と総務部の名嘉原綾子さん(51)。営業部が総務部に資料探しを頼むこともなくなった。 コピー機は台数を半減させ、社員証をかざさないと出力できないようにした。個人情報が入った書類が放置されたり、ほかの人の印刷物に紛れ込んだりするのを防ぐためだ。 ファクスはPDFにして社員のフォルダーに振り分け、各自のパソコンから送信もできる。ファクスを紙で受け取ったり、送ったりする手間や時間がなくなった。 情報の共有化も徹底。1人1冊持っていたカタログなどは原本を一つだけにして皆で使う。データはさまざまな保管の仕方で共有している。営業部の名嘉眞百合子さん(37)は「産休に入るとき、いちいち引き継ぎ書を作らなくてすむので楽だった」と振り返る。    ■  ■ 職場改善には140人中43人の女性社員の意見が広く反映されている。給湯室はカフェのようなおしゃれな雰囲気。高いテーブルで立ったまま気軽に話ができる。客用と社員用2つのシンクを作って、混雑を解消。女性社員が苦労して作っていた氷も製氷機を入れることで解決した。本棚やマッサージチェアを置いて快適さも追求した。 売り上げは右肩上がりで伸びている。オフィスツアーに招いて商談に結びつくことも多くなった。営業部の佐久間充さん(51)は「オフィス改善で生産性が上がった」と手応えを語った。(学芸部・高崎園子)=月〜水曜日掲載営業部のデスク。退社するときは、机に何も残さないのがルール。書類の山だった以前とは様変わりした=浦添市港川・オキジム本社カフェ風のおしゃれな給湯室は社員のコミュニケーションの場だ