小劇場「アトリエ銘苅ベース」(那覇市)のこけら落とし公演が5日から始まる。9月までリレー形式で沖縄県内団体が現代劇や沖縄芝居を披露し、新劇場のスタートを彩る。収容客数約100人の新劇場を運営するのは舞台制作などを手掛ける、「おきなわ芸術文化の箱」。同団体理事の安和朝彦と当山彰一は「県内外の舞台作品が集い、人と作品が育つ拠点にしたい」と思いを語る。(学芸部・松田興平) 芝居などで使われる主な県内の会場は小規模で収容客数40人前後、次に大きな会場は200人以上の規模となる。当山は「100席ほどの会場が今までなかった。新鋭劇団のステップアップの中間地点、または試験的な作品の上演など多彩に活用してほしい」と劇場の位置付けを語る。 当山と安和朝彦、その弟である学治、3人の理事が約3年前から構想を練り、2年前には北海道から九州まで地方都市の劇場を視察。運営者やディレクターとやりとりを重ね、沖縄に必要な劇場をイメージした。全国には100席程度の劇場が多く、同規模であれば県外劇団も沖縄公演を企画しやすいという。 思い描く形はかつて那覇市内にあった「沖縄ジァンジァン」。現代演劇や沖縄の伝統芸能、音楽、トークイベントなど多種多様な舞台が日常的に繰り広げられ、表現者たちの拠点だった。朝彦は「芝居、落語、音楽と何でも上演される箱にしたい。ここに来たら何か面白いものが見られる、というイメージ定着を目指す」と力強い口調で語る。 劇場内は黒一色のシンプルな作り。大工仕事の経験がある理事3人で多くの作業を担って7月に完成。交流のある役者も手伝いに訪れ、壁の裏には数々のサインが記されている。当山と朝彦は「ここから役者と作品が全国や世界に飛び立ってくれたらこんな幸せなことはない」と希望に胸を膨らませた。 12月には県内外の劇場関係者が集い、意見を交わし合う「小劇場ネットワーク会議」を企画する。また稽古の合宿にも利用できるよう劇場の上に宿泊施設も整備する予定。 同劇場の問い合わせは当山、電話070(5815)7050。