目の難病で視野が狭まり周辺が見えなくなりながら、カナダを拠点に創作活動を続ける沖縄県北谷町出身の美術家、山城道さん(38)がこのほど、モントリオール大学大学院に合格した。県芸術文化祭公募展の美術部門で最高賞の県知事賞受賞など、数々の受賞歴のある山城さんは「視覚障がい者の教育の向上に関心を持つようになった。アートを教えることなども含め、指導者として新しい道を模索したい」と意欲を示す。(社会部・石川亮太) 9月から始まる大学院では、ビジョンサイエンス学科で視覚障がいとリハビリテーションについて専門的に学ぶ。同学科の難易度は高く、日本人の合格者は山城さんが初めてという。 山城さんは、北谷高校を卒業後、19歳でモントリオールに留学。同市のコンコーディア大学で美術を学び、卒業後は現地でアーティスト活動を展開していたが、2014年に国の難病に指定されている網膜色素変性症と診断され、帰沖。沖縄に滞在中の15年に第67回沖展入選。第44回県芸術文化祭公募展では、自身の視野を表現した平面作品で県知事賞を受賞した。 翌16年、生活機能訓練のために国立視覚障害者リハビリセンター(福岡)に入所した際、日本の視覚障がい者への教育や自立支援の在り方で疑問に思うことが多くあったという。 今年、モントリオールの視覚障がい者リハビリセンターで機能訓練を受け、北米では共生のインクルーシブ教育が充実していることや、自立を目的とした高度で多様性のある訓練内容に刺激を受け、カナダで指導者になりたいとの思いが芽生えたという。 将来的には、大学教授を目指して研究をしながら、カナダと日本で芸術活動を続ける考え。山城さんは「進行する病と向き合いながら、目の状況に応じて芸術的な表現方法も変化していくと思う。変化と葛藤を楽しみながら向上できればいい」と話し、大学院での新生活を楽しみにしている。