沖縄県石垣島を拠点に欧州でも活動する「香りのアーティスト」MAKI UEDA(上田麻希)さん(43)の嗅覚アート展「香り“X”の分解と再構築」が、市大川のアートホテル石垣島13階で開かれている。夜景を望むバー空間に、ある香りの成分を七つに分解した個別のキャンドル15個を展示。それぞれの香りを楽しみながら、空間で混ざり合い再構築される香り“X”の正体を解き明かす内容だ。「香りは足し算。何の香りか想像して楽しんで」と呼び掛けている。17日まで。 上田さんは東京生まれで、2000年にオランダへ移住。05年から「嗅覚とアートの融合」を試み、独自の手法で飲食物や香辛料、体臭などのありのままの匂いを抽出し香水化。人の思い出や感情、歴史や記憶を想起する匂いなどを生み出し作品として発表している。 石垣島にはぜんそくの治療をきっかけに14年1月に移住し、市真栄里で「香りのアトリエPEPE」を開設。島の植物などから香りを抽出するワークショップや香り発見のツアーなど続けている。15年にベルギーで開かれた「戦争の匂い展」では死臭を再現した作品を発表し、世界的な嗅覚アートのコンペでファイナリストに選ばれている。 今回の展示は、島で初めて作った新作。「世界共通で誰もが好きな花」“X”の香りを分解し、甘い香りやスパイシーな香り、独特の香り−など7種それぞれを「キャンドルに閉じ込めた」という。 期間中、香り“X”を使ったスイーツとドリンクも数量限定で販売。上田さんは「バランスを変えると違うタイプの香りになる数学の問題のような展示。飲食を楽しみながら香りを当てる、会話のおつまみになれば」と話した。 展示は午後6時〜午前0時で、バー利用者のみ入場可能。9日には市民会館「文化庁メディア芸術祭石垣島展」特設会場でワークショップ「源氏の女人の香り〜匂い袋の調香」もある。詳細や申し込みはウェブ、http://pepe.okinawa/で。