全国のスーパーやコンビニエンスストアなどの小売店でプラスチック製レジ袋の有料化が始まった。遅れているプラスチックごみ対策の1歩としたい。

 県内では2008年10月から、大手スーパーやドラッグストアなど10社が県と協定を結び、既に有料化に取り組んでいる。県によると、参加する約270店でレジ袋を辞退した来店者の割合は2019年で75・6%になっている。

 大手スーパーではマイバッグの一定の定着がみられる。少量の買い物を手ぶらで購入することが多いコンビニでも意義を周知し、レジ袋を使わない習慣を広めていきたい。

 有料化は、深刻化するプラごみによる海洋汚染を防ぐ狙いがある。年間800万トン以上が海に流出していると推計されるプラごみが生態系を破壊し、自然をむしばんでいるからだ。クジラやウミガメなどの海洋生物が海に浮遊するレジ袋を飲み込んで死んだ事例が報告されている。波や紫外線などで砕かれて微小になり、魚などの体内に取り込まれ、食物連鎖を通じて人体への悪影響を及ぼす懸念も出ている。このままだと、50年に海洋プラごみ全体が魚の量を上回るという推測もあるほどだ。対策はまったなしだ。

 国内で年間900万トン排出されるプラごみ全体のうち、レジ袋が占めるのは数%程度。毎年約20億本が回収されずにいるペットボトルやレジ袋以外の食品包装容器などの使用量を減らす問題が残っている。有料化を機に、日常的な消費活動を通し、使い捨ての生活を見直す「脱プラ」を加速させることが必要だ。

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 レジ袋有料化が始まるものの懸念されるのは、政府が、植物由来のバイオマス素材の配合が25%以上、海洋生分解性プラスチック100%の袋などを例外としたことだ。国連環境計画(UNEP)の報告書は、地球温暖化などの弊害が大きく、環境負荷の軽減効果が低いとしている。

 例外措置が環境面で妥当なのか、十分な検証が必要だ。

 国のプラスチック資源循環戦略では食品容器などの使い捨てプラスチック容器の排出量を30年までに25%削減し、廃家電を含むすべてのプラごみを35年までに100%有効利用を目標に掲げる。

 国内でリサイクルされているプラごみは全体の10%に満たない。政府は、全体の使用量を削減するとともに、リサイクルを拡充する抜本的な対策を打ち出すべきだ。

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 プラごみの1人当たりの排出量は、日本が米国についで2番目に多い。プラスチック循環利用協会の調査で、全体のプラごみのうち、約400万トンは袋やペットボトルなどの使い捨てだった。削減に対する日本の責任は極めて重い。

 プラごみ削減には個人の生活の変容だけではなく、企業活動の変革も求められる。企業がプラスチックの生産を減らさなければ、ごみは排出され続ける。

 ごみになったときの費用にまで企業に責任を負わせる仕組みづくりで、製造の抑制や代替品の開発、活用を促したい。