復帰前の1950〜60年代に県内で流通した酒類ラベル約200点が見つかった。税務職員を教育する税務大学校沖縄研修支所(浦添市)が租税史料として保管していた。泡盛を中心に清酒、ウイスキー、ワインなど多岐にわたる。泡盛関係史料を収集している、まさひろ酒造(糸満市)の比嘉昌晋会長は「戦後の業界を知る貴重な史料。泡盛の歴史研究に役立てたい」と話している。 53年から60年代後半までのラベルを保管した「酒類商標綴(つづり)」の中に収められていた。昨年夏、租税史料の整理中に偶然、発見された。同支所の担当者は「通常は破棄される史料。なぜ残っていたかは分からない」と不思議そうに話した。 現在は存在しない赤嶺酒造所の「金恒(カネコウ)」や南陽造酒の「龍宮」、糸満酒造工場の「白銀」、金城酒造工場の「南風」などの泡盛のほか、サントリーウイスキーやキングワインなど洋酒ラベルも数多くある。 戦後設立された沖縄酒造組合連合会の62年の名簿も発見された。本島内で79社(首里市10、那覇市4、島尻郡26、中頭郡16、国頭郡23)あり、戦前の71社(首里市47、那覇市16、島尻郡3、中頭郡1、国頭郡4)より8社増えている。首里に集中していた酒造所が県内各地に広がったこともうかがえる。 同支所から許可を得てラベルを複写し、データベース化を進めている比嘉会長は「今後、自社ギャラリーでの展示や、ホームページでの紹介を考えたい。泡盛の世界遺産登録に向け、機運を高める一助となれば」と話した。(政経部・下里潤)税務大学校沖縄研修支所で大量に見つかった復帰前の酒類ラベル=浦添市の同支所