後間
こんにちは。後間秋穂です。コロナ禍の自粛や、飲食店の休業によって、冷凍食品の存在感が高まっています。
今回は冷凍食品市場の最新事情について野村證券那覇支店支店長の宮里洋介さんにうかがいます。よろしくお願いします。

宮里
よろしくお願いします。

コロナ禍で急伸 勢いを増す冷凍食品市場

後間
コロナ禍で家で食事をする機会が増えたという方も多いかと思いますが、冷凍食品の市場も伸びているのでしょうか?

宮里
長期保存ができ、かつ味のレベルが高いなど、冷凍食品の存在感は増しています。
2021年に実施された総務省の「家計調査」によると、コロナ禍前の2019年までは7000円台で推移していましたが、年々増加傾向にあることがわかります。
対照的に「外食」への支出はコロナ禍前と比べると減少しています。

冷凍食品と外食の年間支出額推移

後間
コロナ禍のニーズにマッチしたということですね。各社の動きはどうなっていますか?

宮里
はい。まず、小売部門では各地に冷凍食品専門の販売店ができています。
去年、福島県にはおよそ1300品目の冷凍食品を扱うスーパーが開業しました。通常のスーパーでの取扱品目が200から300品目程度ということを考えると、桁違いの取り扱い数と言えます。

このほかにも、ある大手コンビニチェーンでは、2020年度の冷凍食品が前の都市と比べておよそ120%と大きく伸びました。
タイの刺身といった水産品や畜産物など多様な冷凍食品を次々と投入しています。

冷凍食品をめぐる業界の動き〜小売分野〜

後間
単なる一過性のブームではなく成長性を感じますね。

宮里
はい。コロナの終息後も成長が続くとみているようです。
続いて、外食分野や冷凍食品メーカーの動きを見ていきましょう。

大手ファミリーレストランでは冷凍食品の販売に力を入れたり、麺類のチェーン店を展開する企業では冷凍食品自動販売機の台数を2倍に増やしました。
このほか冷凍食品メーカーも味にこだわった弁当を販売したり、工場を新設したりと力を入れています。

冷凍食品をめぐる業界の動き〜外食、冷凍食品メーカー〜

後間
冷凍食品へのニーズを、事業拡大に活かしたいという各社の思いが伝わってきます。

宮里
そうですね。何よりも消費者の評価が高まっている背景にはおいしさの工場があります。
それを支えているのが、冷凍技術の進化です。
かつては解凍する際に、冷凍によってこわれた細胞から「ドリップ」と呼ばれる水分が出て旨味や栄養分を損なっていましたが、近年は急速冷凍の技術が進化し、細胞をほとんどこわすことなく冷凍することができるようになりました。

後間
急速冷凍技術の進化で冷凍食品ビジネスの大きな可能性を感じますね。

宮里
先ほどご紹介したように刺身も美味しさや鮮度を保持したまま冷凍できるようになりました。
コロナ禍で、かつてないほど注目度が高まった冷凍食品市場は今後もテクノロジーの進化で拡大が続きそうです。

後間
今後に期待したいですね。
今回はコロナ禍で拡大する冷凍食品市場について、宮里さんにうかがいました。ありがとうございました。