「御香宮神社」酒どころ京都伏見にある名水の名所

御香宮神社(ごこうのみやじんじゃ)は、「ごこんさん」の愛称で親しまれている京都伏見の産土神・総氏神です。名前は境内から香りの良い水が涌き出たことから清和天皇より「御香宮」という名をいただいたことに由来しています。この水は伏見の七名水「石井(いわい)の御香水」といわれており、環境省選定「名水百選」に選ばれています。

名水は社務所でペットボトルを買って持ち帰ることも可能

御香宮神社の主祭神は「日本第一安産守護之大神」の神功皇后。そのほかに夫の仲哀天皇、子の応神天皇など六神をお祀りしています。

洛南随一の大祭「御香宮神社 神幸祭」

伏見の総氏神である御香宮神社のお祭りは別名「伏見祭」とも呼ばれ、洛南最大といわれる伏見地区で一番大きなお祭りです。普段は静かな境内が、満員電車の中のような人手で衝撃的でした。

境内には所狭しと屋台が立ち並ぶ

神幸祭は明治時代以前、旧暦の9月9日「重陽の節句(菊の節句)」に行われていましたが、現在は10月の第2日曜日を基準に、その9日前の土曜日から9日間にもわたって行われています。

初日の「オイデマツリ」では花傘総参宮、神賑奉納行事などが斎行されます。

大手筋商店街に向かってみると、大きな傘が遠くに見え始めます。おー!これこれ!ずっと見たいと思ってた!わぁ〜、大きい!!この華やかに飾りつけされた手作りの大きな花傘が見どころです。

1つで64Kg超えの巨大な獅子頭。奥には天鈿女命と猿田彦命の面が飾られている。

祭礼期間中、境内の能舞台では雌雄獅子母衣(ほろ)付けや日本舞踊などの奉納行事が行われます。

とても小さな御神輿もありました

8日目には花傘総参宮、オクライモライ(御食らい貰い:猿田講社、武者組、皇馬)の宵宮祭が行われます。また最終日の朝からは神輿巡幸が行われます。

「オクライモライ」では神輿巡行の際、本殿前で猿田講社と武者行列に参列する方に位を授ける神事が行われます。

神幸祭の中でもっとも目を引くのは御香宮大神様が、氏子区域内を『幸(みゆき)』(巡幸)される神事「花傘総参宮」。

本殿を目指して移動する花傘

目を引く装飾が施された花傘は、室町時代に起こった「風流笠」(ふりゅうがさ)の伝統をよく伝えていると言われています。

お祭りの初日と8日目には大小の花傘が「アラウンヨイヨイ、アラウントマカセ」と掛け声をあげながら町内よりお迎え提灯として巡行します。

大手町筋商店街が一体となって花傘パレードが行われます。2023年は17の団体が参加しました。

最終日は初日に拝殿に飾られていた三基の御香宮神輿が巡幸します。

「ほいっとほいっと!」と聞こえる掛け声は文字で書くと「祝人(ホイト)」。祝う人とはなんとも縁起の良い掛け声です。「ほいっとほいっと」は花傘の掛け声でも使われています。

通常非公開の超絶に重たい神輿「千姫神輿」

祭礼期間中のみ特別公開されているのは通常非公開の2トン越えと推定されるとても重たい神輿「千姫神輿」。徳川家康の孫娘、千姫の誕生日のお祝いに奉納された神輿ですが、現在は重すぎるため、担がれていません。

天井のあたりをよく見てみると御神輿を置いてから作ったようです。神輿に対して小さすぎる扉を見ても「これはもう出せない」というような設計になっていました。

「花傘総参宮」大手筋商店街で繰り広げられる風流花傘パレード

初日にはなかった横断幕。「大手筋」のロゴがかっこいい。

今回は初日と最終日の花傘総参宮を見に行ったところ、最終日は初日にもまして商店街の中に華やかな飾りつけがされていました。

そしてお待ちかねの花傘のパレードは大手筋商店街の中にある京都銀行前からスタート!

左右どちらにもおゆうぎのようなポーズをとってくれる園児たち

紅白幕の前の席では議員さんや校長先生、商店街のリーダーさんたちなどが見学していました。

月とウサギの模様が可愛い

特別席の前では「ほいっとほいっと」と掛け声をあげて、足踏みをする見せ場が堪能できます。

場所取りをしなくても、商店街から、神社まで花傘が歩いているところを見ることができます。のんびりと花傘を眺めながら一緒に神社に向かって行くのもいいですね。

もうひとつの見どころは御香宮神社の前。ここでも掛け声をあげての見せ場があります。商店街と神社の前、ぜひどちらも楽しんでみてください。

このお祭りの良いところは天候やトイレなどを気にしなくても良いところ。商店街の中なので適度に休憩出来て良かったです。たまたま入った居酒屋も窓際の席に座れたため、花傘を見ながら楽しい時間を過ごすことが出来ました。

「名酒のまち伏見」で日本酒とグルメと観光を満喫!

御香宮神社の近くには、薩摩藩の凄惨な同士討ち事件や、坂本龍馬が伏見奉行所の捕吏に襲撃された舞台である船宿・寺田屋などがあります。

現在の寺田屋は幕末の資料を展示する資料館になっています。

そして京都伏見といえば酒処。名水のあるところに美味しい日本酒あり!

京阪丹波橋駅に飾られた「名酒のまち伏見」らしい光景

たくさんのお食事どころが立ち並ぶエリアですが、今回巡った中で特に満足感が高かったのは「伏水酒蔵小路」です。

こちらの名物は「十八蔵のきき酒セット」。18杯もの日本酒を少しずつ飲み比べが出来ます。この写真映えもするビジュアルたるや…!お酒好きにはたまらないメニューです。

左上から順番に飲むと、ちょうど美味しい温度で飲めるようになっている

お店はフードコート形式になっており、炭火焼き、寿司、おでん、洋食など好きな食事を一つから注文可能です。メニューも昼夜一緒になっており、品数豊富なため、かなり迷いました。

あぁ、こんなお店が近所にあったら通ってしまう…!
日本酒は常時120銘柄以上あるため、(18種も飲んだあとですが)他にも飲みたくなってしまいました。たまにしかこないから、やっぱり飲みたい!お酒が美味しすぎて、スタッフオススメの3種の飲み比べまで頼んでしまいました。あぁ〜。幸せ。昼呑み出来るというのも嬉しい。

厳選した3種のお酒もめちゃくちゃ美味しかったです

飲み終わったあとは酔い覚ましにお散歩。黄桜の酒蔵を眺めてそぞろ歩きをしたり、四季に応じた景色を楽しみながら十石船に乗ることもできます。

お祭りの期間中にもう一軒、月桂冠「月の蔵人」にも行ってみました。最大180名もお食事が出来るという広い居酒屋です。

月桂冠「月の蔵人」のねぎとろ湯葉巻き

もう一度、ここに来たい!と感じたのは「利き酒セット」。

当り酒と同じものはどれかと、3種類の相手酒から選ぶゲームです。さすがにこれは当たるでしょう!と挑戦してみると、「あれ?一つだけ全然味が違って、あとの2種類は味が似てる?」と悩みまくる。試すほどに酔っ払ってきて、めちゃくちゃ難しい…!それに、あー、もう元のお酒がなくなった!!悩んだあげくスタッフさんに「このお酒だと思います!!!」と伝えると「ん〜、残念!当たるのは1日に1人か2人くらいなんですよ〜」という高難度の問題でした。当たったら景品が当たるそうですよ。ぜひ試してみてください。

左:吾輩は骨である、名前はまだない 右:濃厚酒粕アイス

食事はどれも美味しかったですが、中でもスイーツが絶品でした。
まずは「吾輩は骨である、名前はまだない」というウナギの骨。カリカリしていて日本酒にあうアテです。最後のシメは「濃厚酒粕アイス」。確かに濃厚!酒粕の奥ゆかしい深みがたまらないアイスです。

お祭りとともに、京都伏見を舌と胃袋でも楽しんで行って下さいね。