全国各地の様々なお祭りには、「提灯」を使ったものがあります。夜には灯りがともって幻想的な風情を感じられますが、なかでも

◎秋田竿燈まつり
◎二本松の提灯祭り
◎尾張津島天王祭

この3つが一般的に、規模の大きさや歴史などから「日本三大提灯祭り」と称されています。この記事では、それぞれどんなお祭りか、そして今年2022年の開催内容などもご紹介します。

※例年の内容を参考にお祭りをご紹介しています。今年は規模や内容を縮小・変更、または中止の場合もあるため、お出かけの際は事前に主催者からの最新情報をご確認ください。

秋田竿燈まつり(秋田県)

秋田竿燈まつり(夜) 秋田市オープンデータより クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)

「秋田竿燈(かんとう)まつり」は、「青森ねぶた祭」「仙台七夕まつり」と並ぶ「東北三大祭り」の1つでもあり、2017年には130万人以上の来場者が訪れた全国的にも有名なお祭りです。

祭りのルーツは、青森ねぶた祭や仙台七夕まつりと同様に、稲作文化に根ざした旧暦の七夕時期に行う行事にあるといわれています。それは、真夏の暑さからくる眠気や病魔を祓うため、合歓木(ねむのき)や笹竹に願い事を書いた短冊をつけて川や海で水に流した「眠り(ねぶり)流し」というものです。

やがて江戸時代の1700年代になり、秋田の久保田城の城下町で、ろうそくの普及やお盆に門前に掲げる高灯籠などが組み合わさって、現代の竿燈の形になったといわれています。

秋田竿燈まつり(夜) 秋田市オープンデータより クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)

「竿燈」とは、格子状に組んだ竹竿にたくさんの高張提灯を吊ったもので、大きな竿灯では、高さ10m・重さ50㎏になるものも。提灯を「米俵」、竿灯全体を「稲穂」に見立てていて、豊作祈願の意味が込められています。

お祭り当日は、200本以上の竿灯が大通りを練り歩きます。吊るされた提灯の合計数は10,000個以上にものぼり、まさに圧巻です。なお、提灯はすべて職人の手作り。夜には本物の火が灯され、美しく幻想的な光景が秋田の街を包みます。

「差し手」と呼ばれる男性が、掛け声に合わせ、手のひらや肩、腰などで巧みにバランスを取りながら竿燈を支える様子も、このお祭りの見どころです。

秋田竿燈まつりが開幕!イケメン差し手の妙技を見逃すな!

秋田竿燈まつりは例年同じ日程で行われており、2022年も8月3日(水)〜8月6日(土)に開催されます。夜竿灯は、連日19時〜20時30分まで、秋田駅近くの「竿灯大通り」で行われます。

秋田竿燈まつりとは?会場は?妙技会とは?2022年は開催される?竿燈基本情報まとめ!

 

二本松の提灯祭り(福島県)

「二本松の提灯祭り」は、350年以上の伝統を持ち、福島県の重要無形民俗文化財にも登録されているお祭りです。宵祭り、本祭り、後祭りとして、二本松市で3日間開催され、期間中は約300個の鈴なり提灯を灯した太鼓台と呼ばれる7台の山車が市内を練り歩きます。1643年、二本松城主の丹羽光重公が二本松神社を祀り、領民は誰でも参拝できるようにしたことが、提灯祭りの始まりといわれています。

お祭りのメインは、初日の宵祭りに行われる七町合同引き廻しの点火式です。それぞれの字の代表が、二本松神社より運ばれたご神火を太鼓台の提灯に点火していくと、太鼓台は紅提灯に美しく彩られていきます。宵祭りの最後は、二本松駅前に到着した2000個以上の紅提灯を灯した七台の太鼓台が一列に整列し、見応え抜群です。

また、難しい技を駆使して太鼓台を操る様子が見られるのも、このお祭りの醍醐味。総重量が2トン近くにもなる太鼓台にはハンドルがなく、車輪(わっぱ)と綱のみでかじを切ります。

2日目の本祭りには、神輿渡御なども行われます。3日目の後祭りに最後の舞台である霞が城で行われる合同引き廻しも見逃せません。「日本の道100選」に選出されている城前の道を進み、霞が城の前に並んだ太鼓台の紅提灯は、重厚な石垣を背景に美しく映えます。

「二本松の提灯祭り」は、毎年10月の第一土・日・月曜日に開催されます。2022年は、10月1日(土)〜3日(月)に開催される予定です。
見どころを詳しく解説した下記の記事もご参考に、ぜひお出かけしてみてはいかがでしょうか。

二本松のちょうちん祭りで味わう!情緒溢れる秋夜に浮かぶ紅提灯

 

尾張津島天王祭(愛知県)

尾張津島天王祭の車楽舟行事 ©Bariston クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)

「尾張津島天王祭(おわりつしまてんのうまつり)」は、津島神社の祭礼として600年近くの歴史を持ち、「日本三大川祭り」の1つにも数えられているお祭りです。全国の夏祭りのなかでも最も華麗なものといわれ、「山・鉾・屋台行事」の1つとして、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。

お祭りの由来には諸説ありますが、一つは京都の神泉苑へ御霊を鎮め送った祭事「御よし流し」が伝播したというもの。川辺に群生している葦(よし)を形代にし、心身の穢れを託し封じ込めて流すことで、夏の酷暑を無病息災で過ごすことを祈る行事が伝わったという説です。他には南北朝時代、南朝の後醍醐天皇の曽孫、良王親王が津島に逃れてきた際、北朝方の武士を船遊びに事寄せて討ち取ったことからお祭りを行うようになったという説などが有名です。

津島天王祭 朝祭 ©Bariston クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)

初日の宵祭には、屋台の上に提灯が飾られたまきわら船が、津島笛を奏でながら天王川を漕ぎ進み、揺らめく提灯の明かりが川面を美しく照らします。
翌日の朝祭には、能人形を飾った車楽船が登場。楽を奏でながら漕ぎ進むと、船から10人の鉾持が布鉾を持って水中に飛び込み、川を泳いで神社に向かって走ります。その後は、船から稚児が降り、津島神社まで帰る神輿とともに練り歩いた後、最後には津島神社で稚児の神前奏楽が行われます。

「尾張津島天王祭」は、毎年7月第四土曜日とその翌日の日曜日に開催されており、2022年は7月23日(土)と7月24日(日)に、規模を縮小して開催されました。

まとめ

「日本三大提灯祭り」には、いずれの祭りにも五穀豊穣や豊作への祈りであったり、疫病にかからず無病息災に過ごせるようにとの人々の願いが込められています。そして、大切に受け継がれてきた歴史と伝統のあるお祭りです。

それぞれの提灯祭りを訪れ、夜空に美しく映える提灯の明かりとともに感動の体験を味わってみてはいかがでしょうか。