先月30日に肺炎のため亡くなった映画プロデューサーで製作プロダクション『セントラル・アーツ』社長の黒澤満さん(享年85)の告別式が7日、東京・青山葬儀所でしめやかに営まれ、黒澤さんが手がけた映画『ビー・バップ・ハイスクール』(1985年公開)でデビューを飾った俳優・仲村トオル(53)が弔事を読んだ。

 遺影の前に立ち「33年前、昭和60年の夏、僕にとっては父親をなくした次の年に黒澤さんと出会うことができました。雑誌の片隅にあった『ビー・バップ・ハイスクール』出演者募集の記事を見た僕は、東映に履歴書と写真を送りました」と懐かしむように振り返った仲村は「黒澤さん、選んでくれてありがとうございました。劇的に人生が良い方向に変わったのは、黒澤さんのおかげです」と声を震わせながら感謝を伝えた。

 初の連続ドラマ出演も、黒澤さんが手がけた『あぶない刑事』シリーズだった。「多くのすばらしい先輩に出会うことができた。それも黒澤さんのおかげです。黒澤さんがくれた『あぶない刑事』の現場は比喩でなく、僕の故郷です。ありがとうございました」と熱い思い打ち明けながら「きのうの夜、喪主の黒澤純さんに『泣かないでやってくれ』と言われたけど、ちょっと無理ですね…」と、堪え切れずに涙を流した。

 「黒澤さんとする旅はとても楽しかった。もし来世があるならば、また黒澤さんの手のひらの上で、すばらしい方に出会う旅に出たいです。本当にありがとうございました、お疲れ様でした」。約10分間、時折言葉に詰まりながらも天国の“恩師”へ言葉を届けていた。

 胡蝶蘭やユリなど黒澤さんのお気に入りだった4000本の花で彩られた祭壇には、約30年前のスナップ写真が飾られ、手がけた作品の台本やジャケットなど、ゆかりの品が棺に入れられた。