テレビ朝日系2週連続ドラマ『殴り愛、炎』の後編が9日(後11:15〜深0:15※一部地域を除く)に放送される。2日に放送された前編で火が付いた、山崎育三郎演じる心臓外科のスーパードクター・明田光男と、市原隼人演じる陶芸家の緒川信彦の“殴り愛”。

 文句なしのエリートだった光男が、自身の婚約者である看護師・豊田秀実(瀧本美織)の初恋の人・信彦の出現によって、猛烈な嫉妬心と執着心を燃え上がらせ、壊れていった前編。そのラストで光男は、秀実と信彦の密会を双眼鏡で監視。完全にストーカー化というか、「ここにいるよ〜」と2人の前に現れ、『奪い愛、冬』の“水野美紀化”。信彦に対して“愛の拳”を振り上げてしまう。一方、信彦も「秀実が光男のDVに悩んでいる」という作り話を信じ、殴り返す。

 信彦が将来有望な陶芸家ということから容易に察しがついた、期待通り(?)のろくろを一緒に回すシーンもあり、秀実に「映画の『ゴースト』みたいだね」と言わせて、視聴者にツッコませない策(?)。逆に、永井大が演じる鈴川倫太の前髪で左目を隠すヘアスタイルの不自然さは「ブラックジャック?」とツッコんであげないと申し訳ない気分になった。そして、「DV」のデマを流し、信彦を焚きつける家子役の酒井若菜が、“嫌がらせキャラ”を怪演している。

 そんな鈴木おさむワールド全開の前編を受けて、後編はさらに登場人物たちの暴走が止まらない。どんどん壊れていく光男と大真面目にタガが外れていく信彦、そんな2人の間で揺れに揺れまくる秀実が、三者三様に奇々怪々。何が何でも光男の気持ちを自分に向けようと、あの手この手で暗躍しまくる家子。要所要所で爆弾をぶっこむ倫太からも目が離せない。そして、「喉がガラガラになるくらい叫んだ」(山崎)という光男と信彦が徹底的に殴り合うクライマックスのシーンへ。山崎と市原が振り返った。

――ボクサー役の経験もある市原さんとの“殴り合い”はいかがでしたか?

【山崎】殺されるかと思いました(笑)

【市原】本当はもっと殴りたかったです(笑)。やりすぎだと止められたこともありました(笑) とはいえ僕も今回のように殴り合ったのは初めてです。テスト、本番、と何度もやって、疲れ果てました。

【山崎】屋外ロケで、転がって泥だらけになって、喉がガラガラになるくらい叫んで、殴り合って(笑)。僕は次の日、体が動きませんでした。声もスカスカになっちゃって。いままで見せたことがないような山崎育三郎が出ていると思います。実際、僕自身も新しい自分を発見できて、面白かったです。

【市原】手数を見せていくというよりは、感情芝居の中で殴り合っていく。一発、一発に感情がこもっているんですよね。だから2人も全然格好良くない(笑)。まさに泥仕合。美織が言ってたんですが、育三郎くんと僕が殴り合うシーンは、まるで愛し合っているように見えるって。

【山崎】ある意味、そうかもしれないですね。瀧本さん演じる秀実を思って、お互い、本気の2人ですから。殴り合いって、相手に拳をぶつける、つまり相手に触れることでもあるので、触れ合いといったらおかしいけれど、言葉で怒鳴り合っているだけでは伝わらないような熱が伝わって、2人にしか感じられないものが生まれてくるのは、感じました。芝居なので、実際には拳は当たっていないんですが、お互いの熱を感じるというか、殴るたびにお互いを知っていくというか…、不思議な感覚になりました。

【市原】シーンのすべてが分岐点になっているというか、ことごとく、その分岐点でそっち行っちゃうの?ってことが起きる。ハラハラしてしまうシーンばかりだと思います。むしろ、なんでこの人たちこんな些細なことで一生懸命になっているの?って笑ってほしい。チャップリンの名言に「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である」というのがあるけれど、まさにそのとおりだと。宇宙の大きさから考えてみたら人間なんてちっぽけなもの。だけど、みんな一生懸命生きているんだっていう、ね。このドラマが活力になってくれたらうれしいです。

【山崎】僕ら、すごくかっこいいことを言ってますが、鈴木おさむさんの作品だということは忘れないでいてほしい(笑)。僕らは何も狙わず、ただただ真剣に、笑いを必死にこらえながら作った作品。皆さんには思いっきり面白がってもらって、笑ってもらえたらうれしいです。

■後編(4月9日放送)あらすじ

 最愛の婚約者・豊田秀実(瀧本美織)が高校時代に想いを寄せていた陶芸家・緒川信彦(市原隼人)と熱いキスを交わす現場を盗み見してしまった凄腕心臓外科医・明田光男(山崎育三郎)。歯止めの効かない嫉妬の炎はかつてないほど燃え上がり、光男はついに人生初の拳を信彦に向けて振りかざした! 愛する秀実がほかの男に惹かれてゆく現実を認められず、信彦が秀実を洗脳したと言い張る光男。もはやまともな精神状態ではない光男は「僕が解放してあげるよ」と不気味にささやき、怯える秀実を連れ帰る。

 この出来事を機に、光男はさらにエスカレート。盗撮した信彦とのキス動画を秀実に見せるなど、常軌を逸した言動で秀実を震え上がらせる。さらには、信彦が奪いに来るかもしれないと言い、秀実を山中の農具入れの中に閉じ込めてしまう!

 なんとか隙を見計らい、逃げ出した秀実は信彦の工房へ。「私は信彦さんのことが好き!」――胸の内に収めきれなくなった恋心をぶつける秀実。そんな彼女と共に、覚悟を決めた信彦は愛の逃避行を企てる。光男から逃れるため遠く、どこまでも遠く…。やがて人気もまばらな海辺の町にたどり着く秀実と信彦。だが、秀実がいなくなったことに気づいた光男は、自分に想いを寄せる幼なじみ・徳重家子(酒井若菜)の協力のもと、躍起になって2人を捜索。やがて光男は2人がいる町に舞い降り…!?

 はたして秀実と信彦は、いびつな愛に身を焦がす光男から逃げ切ることができるのか――。最後の最後まで予測不能! 交錯する激愛が迎える衝撃の結末とは一体…!?