FICTIONAL STAGE「亡国のワルツ」が16日、東京・あうるすぽっとにて開幕。初日公演に先駆けて公開ゲネプロが行われ、前山剛久、廣瀬友祐、北原里英、小川菜摘、毛利亘宏(作・演出)が囲み取材に登壇し、意気込みを語った。

 本作は、毛利(少年社中)が作・演出する完全オリジナルの新作演劇で、虚構の"日本"を舞台に、毛利がこれまでにない社会派な作品をエンターテインメントにして上演。革命家たちに紛れ込んだスパイを探すというスリリングな密室劇であり、激しいダイアローグがぶつかり合う会話劇となっている。

 初日を迎えるにあたり、前山は「コロナの影響で演劇がとてもツライ状況の中で、こうして作品を上演できるということがとても嬉しい」と喜びをかみしめ、「この作品は、けっこう攻めています。でも、今だからこそ、やる意味がすごくある作品だと思います。日本が好きかどうかや、今自分が日本でやっていることだったりを、新たに考えさせられる作品になっていると思います。ぜひそこを観て感じてもらえたら」と作品への思いを吐露。

 廣瀬も「今日という日を迎えられていることに、喜びと嬉しさと安堵の気持ちでいっぱいです」と述べ、「ただ、いつ最後になるかわからない、危険と隣り合わせの日々が始まりますが、だからこそ、1公演1公演、この命をかけて舞台上で頑張りたいなと思います」と力強く語った。

 唯一の女性革命家を演じる北原は、「女性らしいキャラクターではなく、強い女性を演じているのですが、革命家唯一の女性という部分を武器に演じていきたい」と意気込み、「フィクションではあるけれど、今の日本と重なるところがある演劇ですので、これを観た方にどう感じていただけるのか、お客様の前で上演するのがとても楽しみです。千秋楽まで誰一人欠けることなく、駆け抜けられるよう、頑張っていきたいです」とコメント。

 「今までの演劇人生の中でこういった役をやるのは初めてなので、とてもワクワクしています」と語った小川。本作について「90分、息つく暇がない。お客様もきっと手に汗にぎるだろうなと。革命家たちの中に紛れ込んだ裏切り者を"彼なんじゃないの?"と、お客様も一きっと緒にドキドキしながら観劇してくださるんじゃないかなと思います」と見どころを明かした。

 初の社会派エンターテイメントに挑む毛利は、「今の日本を正面から正直に描いてみたいと思った作品です」と本作への思いを延べ、「こういった出口の見えない世の中だからこそエンターテイメントで、この国にいて、この国で生きていくってなんだろう?ということをお客様に問いかけるような作品となっています。みなさまに見ていただけることを楽しみにしております」と期待を寄せた。

 また、本作の注目ポイントに関して廣瀬は「この作品は、虚構の日本を舞台に、愛国者たちが、国を愛しているが故に、強い信念・志を持って、革命に身を投じていく者の生きる物語です」と述べ、「僕としては、舞台を愛している人間として、強い気持ち・強いエネルギーを舞台上から届けられたらなと思います。そういった熱量を感じてもらえたら」と熱い思いを語る。

 続けて廣瀬が「あとは、前ちゃんがカッコイイ!」と称賛すると、前山は「ありがとうございます」と照れ笑いしつつ、「あの〜、ここ笑ってもらっても…」と記者たちに訴えかけ、笑いを誘っていた。

 見どころの一つとして、前山は「演出面で毛利さんらしいところがあって、日替わりが3ポイントくらいある」と明かし、「僕は2つあるんですが、意外と笑えるところもあるので、個人的にはそこを楽しみに見てもらってもいいのかなって思います」と自信を見せる。すると、MCから「ハードル上げて大丈夫ですか?」と問われ、「ゲネプロは(関係者が多くて)みなさん笑わないと思うので、初日から頑張ります!」と笑みを浮かべた。

 また、北原と毛利の誕生日が同じということで、「似ている部分はあるか」という質問が飛ぶと、北原は「誕生日も一緒だし、血液型も一緒で、出身県も一緒なんです」と打ち明け、「ただフォルムが違うだけで、ほぼ毛利さんなんです」とコメント。似ている部分については、「この作品を通して、毛利さんって愛があるというか。今回、裏切り者が居るというお話ではあるのですが、裏切りの中にも愛があるような感じがしていて。心に愛があるところが似ているなって思います」と声を弾ませると、前山と廣瀬から「自分でそれ言う?(笑)」とすかさず突っ込みが入る。それに対し、毛利も「すごく人間が好きで、とても愛おしく人間を描きたいというのがあるので、そこが似ているのかな」と笑顔を見せた。

 FICTIONAL STAGE「亡国のワルツ」は、4月16日(金)〜29日(木・祝)まで、あうるすぽっとにて上演。4月29日(木・祝)12時開演・16時開演(千秋楽)公演のライブ配信が決定。10月13日には同公演のBlu-rayも発売される。

 さらに、囲み取材登壇者以外の出演者からのコメントも到着。

■荒井敦史 コメント
本日無事にこうして初日を迎える事が出来て嬉しく思います。ここからは日々感染対策など気をつける事はもちろんですが、この作品にさらに向き合い、いろいろな発見をしていけたらと思っています。今作の見どころとしては「誰が裏切り者なのか」。劇場にお越し頂けるお客様も観劇しながらそれぞれの関係性や思い、その裏切り者を探ってみると面白いと思います。そして何より、役者陣も熱量もそうですが、その場に流れる緊迫した雰囲気などもぜひ感じて頂けたら。

■廿浦裕介 コメント
先ずは、誰一人欠ける事なく全員で初日を迎えられた事を、心から嬉しく思っています。稽古場で試行錯誤を重ね作られた作品が、お客様の心にどう届くのか、今は期待と緊張で胸がいっぱいです。
今回の舞台、稽古開始5日目には出演者全員が台本を離した状態での通し稽古(最初から最後まで止めずに通す稽古)をやりました。責任感が強くお芝居に誠実な方々と共演出来る事に、ただ感謝あるのみです。
出演者9人が作り上げる濃密な空気感、そして終盤に向かう怒涛の展開は必見。是非、劇場で目撃して下さい。

■長谷川太郎 コメント
稽古は常にマスクをしながらでしたが、そんなことを忘れるくらいの熱量でした。きっと本番はよりすごいものに仕上がると確信してます。【亡国のワルツ】は今だからこそ生まれた作品だと思っています。「そぎおとした」というよりは「必要なものだけ」ですね。最後まで走り抜けられるように万全の対策をして、お届けします。
シンプルかつソリッドな劇空間を是非楽しんでいただきたいです!

■多和田任益(梅棒) コメント
今の情勢の中で、幕を開けられること、舞台に立てることを、感謝しています。
今回の9人の中で、荒井くんと僕が最年少なのですが、本番では先輩方から会話劇を通してさらに様々なことを吸収させていただこうと思っています。昨年から生きた方について改めて考え始めた方もきっと多いと思う中で、それぞれの意志、信念をもった人間たちのぶつかり合いは今だからこそ訴えかけるものがきっとあると感じています。
これほどまでに真剣に、大事な何かのために命をかけて生きている人間がいるんだ、という生き様をお客様に届けられたらいいなと思います。それと廿浦裕介さんと長谷川太郎さん、少年社中劇団員のお2人による日替わりの1シーンがあるのですが、毎回ツボをつかれるので、笑ってしまわないように頑張ります(笑)。

■奥田達士 コメント
かつて、無い程のデリケートさで、大切に、大切に、毛利さん演出の下、スタッフ一同、俳優一同で、こしらえてきた芝居です。過保護な育ち方をした芝居ですが、
中身は過剰な程突っ張った芝居になりました。初日を迎え、お披露目となるわけですが、芝居は、消え去るから美しいと、私は思っていました。だけど、それは変わりました。今は、こう思うのです。お客様が御覧になり、一緒に過せる一瞬一瞬が、心の片隅に、ほんのわずかで構わないから、残るのであれば、本当に、幸いだと。
それが、いま、かけがえのないものなのだと。