専門家に聞いた!職場で話したくないことや聞かれたくないことがある場合の対処法職場の昼休みや飲み会で、プライベートの話をすることがあるだろう。そんな際、話したくないこと、聞かれたくないことに対し、何と答えようか迷ったことはないだろうか。「教えて!goo」にも、「会社でプライベートな話をどこまでしますか?」と、質問が寄せられていた。そこで、アナウンサーであり、マナー&話し方未来研究所所長である飯島永津子さんに、波風立てない“上手なかわし方”や、避けたほうがよい話題について教えてもらった。

■話したくないこと、聞かれたくないことなどの対処法

飯島さんは「相手との関係性や距離感によって多様な対処法があります」と前置きした上で、あらゆる関係性の相手に使える3つの方法を挙げてくれた。

「『ごめんなさい』とお詫びをしてから、話せない理由を率直に伝える方法があります。離婚直後の女性が『ご結婚は?』などと聞かれた場合、『すみません。離婚したばかりで、お話できる状態ではなくて……』と伝えると、話したくないという気持ちを汲んでもらえると思いますよ」(飯島さん)

話題の“輪郭”のみを話す方法もあるそうだ。

「たとえば『残業はどの程度できる?』ときかれた場合、シングルマザーの女性や、親を介護中の人がプライベートを知られたくなくても、業務上伝える必要があるでしょう。そんなときは、『保護者が私で、子どもの迎えがあるので』とか、『介護中で、ヘルパーさんが○○時に帰ってしまうので』などと、自分の置かれている状況の輪郭のみ触れた上で、希望する退社時間を伝えます」(飯島さん)

過去のキャリアや転職理由などについて聞かれ、話したくないとき話す必要がないときは、「『忘れたふり』という大人の対応はどうでしょう」と飯島さんは続けてくれた。

「『10年以上も前のことだから、よく覚えていなくて……』、『最近、忘れっぽくて……』と濁してしまってもよいです。波風立てず、その場を和やかにやり過ごせますね」(飯島さん)

同僚や部下など、距離感の近い相手には、もう少し踏み込んだ対応でもよいようだ。

「あなたが今以上に親しくなりたいと思う相手なら、『本当はあまり話したくないのだけどね』と断りつつ、正直に答えるのもよいでしょう。そして、『あなたの場合はどう?』と同じ質問をしてみると、相手もオープンになってくれるものです。さらに距離感も縮まるかもしれません」(飯島さん)

質問返しをして、さらりとかわすパターンもアリだとか。

「『(その質問に)答えなきゃダメ?』、『言わないといけない?』と質問返しをし、言いたくない気持ちを伝えてもよいと思います」(飯島さん)

最後に、部下など目下の相手にも “上から”にならず、上手にかわす方法を教えてくれた。

「『まぁまぁ……』を連発しノーコメントを貫くのも、角が立たない方法です。部下から年収を聞かれ、答えたくない場合などに使えそうですね」(飯島さん)

飯島さんいわく、「どのような相手であれ、話したくないことを無理に話す必要はありません」とのこと。思いやりや余裕を持って対処することが大切なのだろう。

■避けた方がよい話題

ビジネスシーンで、特に避けたほうがよい話題について聞いてみた。

「ビジネスマナーでは、年齢、職業、立場、家族構成、年収、学歴については、特に初対面の相手に対して聞いてはいけないとされています。また、テーブルマナーでは、和やかに食事を進めるため、宗教や世界情勢、身体に関することについての話題はNGとされています」(飯島さん)

江戸の商人たちが心地よく過ごすために心がけていた「日常生活におけるマナー」の中にも、ビジネスマナーの原点があるそうだ。

「『江戸しぐさ』と呼ばれる江戸商人たちのマナーの中にも、『深く知る前に相手の情報が入ると、フィルターをかけてその人を見てしまう』とあります。現代も同様で、情報を聞くこと自体は失礼ではありませんが、相手のことをよく知らないうちに先入観や偏見を持ってしまうのはもったいないです」(飯島さん)

シンプルに応対し、仕事を通して人間関係を構築していかれたらこの上ない。今回のお話を参考に、ビジネスの場においても、上手なコミュニケーションを図ってもらえれば幸いだ。

●専門家プロフィール:飯島 永津子
テレビ朝日系列民放局、NHKアナウンサーを経てフリーに転身。各界の著名人への取材を通じ多くの学びを得る。 現在は、愛媛大学医学部他大学講師、NHK・三越・新聞社などのカルチャー講師、BMIビジネスマナー認定講師、マナー&話し方未来研究所所長として、全国の大学や企業、病院などで作法や話し方などの講演を行う。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)