地方の火葬料が0円〜に対して東京23区の75000円〜ってどうなの?火葬場は全国に1454施設(2018年11月時点)あり、そのうち約96.7%(1407施設)を地方公共団体が運営している。火葬料金は管轄区域内の住民であれば無料〜1万円前後となっている。

一方で東京23区には火葬場が9施設あるが、そのうち区民の7割程度が利用している6施設(町屋斎場・四ツ木斎場・桐ヶ谷斎場・代々幡斎場・落合斎場・堀ノ内斎場)を民間企業が経営している。火葬料金は今年の1月に16000円値上げされ75000円〜となった。

民間企業が経営しているとはいえ、火葬という誰もが利用する公共サービスの利用料が値上がりしたことについて、あなたは賛成と反対のどちらの立場を取るだろうか。今回はこの問題について心に残る家族葬という葬儀サービスを全国で展開している葬儀アドバイザーに話を聞いてきた。

■そもそも民間企業が利益を追求するのは当然のこと

まずは値上げとなった背景を聞いてみた。

「経営状態云々はおいておいて、そもそも一般論として、民間企業ですから利益を追求するのは当然だと思います。23区に限って言えば現状でほぼ独占していますし、火葬場はそう簡単に作れませんから、この先も独占が見込めます。さらに多死社会で今後の需要は高まる一方ですし、値上げしても他に選択肢がないのでそこを利用せざるを得ません。だから利益追求のために値上げをするということだと思います」(葬儀アドバイザー)

ごもっともである。ただ火葬という公共性の高いサービスであることを考えると、にわかには賛成し難い。

■改善のための選択肢は3つ

公共性の高いサービスの値上げは貧困層軽視に繋がる。企業の論理を一方的に押し付けられている気がするが、なにか改善策はないのだろうか。

(1)経営権の取得

「現実的かどうかは別として、発行済株式数の半数以上を取得して経営権を掌握して、好きな価格に改定するというのも手段の一つではあります」(葬儀アドバイザー)

(2)法律や行政の介入

「火葬は公共性が高いので法律で制限を加えたり、行政による介入で状況は変化するかもしれません。今回、携帯電話の利用料が大幅に下がりましたが、あれと同じことをすれば、それなりの効果は期待できるかもしれません」(葬儀アドバイザー)

(3)火葬場を沢山作る

「火葬場を増やせば、それによって競争原理が働き、火葬料金も適正価格に落ち着くと思います」(葬儀アドバイザー)

都内の火葬場は混み合っており不足しているという。となると、この中では「(3)火葬場を沢山作る」が最善だろう。

■「火葬場を作れ!でも近所には作るな!」という無理筋

そもそも火葬場の殆どを地方自治体が運営しているのだから、23区内にも自治体主体で火葬料0円〜の火葬場を作ればこの問題は解決しそうだ。

「その通りなんですが、NIMBY( “Not In My Back Yard”の略語。施設の必要性は認めるが、自らの居住地域には建てないでくれという論理)によって多くの人が火葬場建設を望んでいません。火葬場を増やしたほうがいいことはわかっていても、火葬場を作ることに反対しているという状況です。都内の火葬場は需給バランスがあっておらず、常に混んでおり、これはまだまだ続きますので、混雑解消のために火葬場建設は検討に値すると思うんですが…」(葬儀アドバイザー)

企業は利益を追求するために火葬料金を上げる。消費者は料金を上げてほしくない。でも火葬場の建設には反対する。東京都港区の南青山の児童相談所問題もわかりやすいNIMBYだったが、火葬場はそれを更に上回るNIMBYの典型なのかもしれない。

ちなみに4月1日から、都内の他社運営の民営火葬場も追随する格好で値上げした。そこは19000円値上げして78000円〜になった。値上げは既定路線となりつつある。

さて改めて問うが、あなたは民間企業による火葬場の料金値上げに対して、反対と賛成のどちらをえらぶだろうか。

専門家プロフィール:心に残る家族葬 葬儀アドバイザー

火葬料も含まれた追加費用のかからない格安な家族葬を税込み14万3000円から全国で執り行っている。24時間365日受け付けており、寺院の手配や葬儀後の各種手続きなどのアフタフォローにも対応。

ライター o4o7

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)