専門家に聞いた!コロナ禍でも上手にデジタルデトックスを取り入れる方法一定期間、PCやスマホなどの使用を控えることを意味する「デジタルデトックス」を皆さんは実践しているだろうか。テレワークやオンライン授業など、デジタル技術によりさまざまな不便が解消されているコロナ禍では、これまで以上にデジタル機器が手放せないのでは。だが、それらの弊害はないのか。「教えて!goo」「教えて!goo」にも、「デジタルのメリット・デメリットは?」と質問が寄せられていた。そこで、日本デジタルデトックス協会の森下彰大さんに、デジタル技術を活用しながら、デジタルデトックスを取り入れる必要性や方法などについて話を聞いた。

■デジタルデトックスの必要性や方法
外出や人との接触を自粛せざるを得ない中、デジタル技術を活用する状況はより促進されそうだ。そのデメリットはあるのか。

「デジタル機器やそれに付随するサービスを活用することのデメリットは、本のように『明確な終わりがない』ことです。デジタルの力で他者と交流することは、家にこもりがちな私たちのメンタルヘルスを維持する上で欠かせませんが、一人での過度な利用には注意が必要です。実際、SNSや動画配信サイトを見続けてしまい『利用時間をコントロールできない』と感じている人は増加傾向にあります」(森下さん)

デジタル機器から情報過多な状態が続くと、イライラや不安感、孤独感を生じやすくなるほか、睡眠障害など具体的な症状として現れる場合もあるという。

「絶望を意味する“Doom”と、画面スクロールを意味する“Scrolling”から成る『ドゥームスクローリング』という言葉があります。コロナ禍において、ネット上で悲観的な情報ばかり探し続けると、恐怖や無力さ、喪失感などネガティブな感情に支配されると問題視されはじめました。ITサービス側が研究、提供する、アプリ通知やアルゴリズム(コンピューターで目的を達成したり問題を解決するための処理手順や計算式)により、個々の求める情報が入手しやすくなる反面、過剰に興味や自己承認欲求をかき立てられネット利用の歯止めが効かなくなると、主に海外の専門家から指摘されています」(森下さん)

そんなときこそ「デジタルデトックス」が必要だそう。具体的にどうすればよいのか。

「不要なアプリ通知を減らす、自宅内に『デジタルフリーゾーン』をつくる、寝室にスマホを持ち込まない、SNSの使用時間に制限をかけるなど、簡単なことからはじめてみてください」(森下さん)

大げさに考えず、デジタル機器と距離を取る時間を作ればよいのだ。まずははじめることから心がけたい。

■アナログを取り戻す必要性や方法
森下さんが、デジタルより「アナログの方がよい」と感じることはあるのか聞いた。

「『対面でのコミュニケーション』です。私たちは無意識に対話する相手に合わせて瞳の大きさを変えたり、相手のボディランゲージを真似たりしています。また、一緒にいる人との距離により、相手へ抱く親しみや共感度、信頼度が異なることもわかっています。対面でのコミュニケーションが難しい現状、テレワークやオンライン授業などで他者とコミュニケーションを取るときは、できるだけアイコンタクトを意識するとよいですよ」(森下さん)

デジタル世界で日常的にやってしまうことを見直すと、新たな発見もあるようだ。

「美味しそうな食事や美しい景色などを見ると、つい写真を撮ってしまう人は、撮影しないときよりその対象について忘れやすくなる『写真撮影減殺効果』がみられます。また、誰かと話をするときは、スマホを目の届かないところに置くだけで注意力や認知力が向上することがわかっています」(森下さん)

最もデジタル世界で実感できないものは、「自然の中で得られるリラックス効果」だという。

「『NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる』という本では、都内に住む中年期のビジネスパーソンが毎日2〜4時間の森林浴を3日間続けたら、病原体から身体を守るナチュラルキラー細胞が40%も増大したという驚くべき研究を紹介しています。ちなみに、都会での散歩で同様の効果は得られなかったそうですよ」(森下さん)

自分たちがデジタル機器を使っているつもりが、逆に使われてしまっているといったこともあるかもしれない……。できる範囲でデジタルデトックスを習慣づけ、心身のストレスを軽減しながら上手にデジタル機器と接しよう。

●専門家プロフィール:森下 彰大(日本デジタルデトックス協会) 
(一社)日本デジタルデトックス協会スタッフ。国内外のデジタルデトックス関連ニュースやスマホ依存のメカニズム、IT企業のマーケティングなどを研究。日本初のデジタルデトックスについて学び実践するプログラム「デジタルデトックス・アドバイザー養成講座」を運営。

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