不動産の専門家に聞いた!新型コロナの影響で、住む場所選びに変化はあった?新型コロナウイルスにより、私たちの日常はさまざまな側面において、変化、調整、対応を余儀なくされることになった。特に外出自粛やテレワーク、休校などにより、家族全員の在宅時間が増え、部屋が手狭に感じたり、オンラインでの仕事や授業に集中しづらくストレスを感じた人も多かっただろう。「教えて!goo」にも、「コロナで主人が引っ越そうと言います」という投稿があった。コロナ禍のさまざまな事情により、住む場所を考え直す人は多いのだろうか・・・・・・。そこで、不動産の専門家である田中勲さんに、コロナ禍における住まい選びについて話を聞いた。

■住まい選びの現状

多くの企業でテレワークの継続が推奨されている「withコロナ」の現状、職場近くに住む必要がなくなったという理由から、住まい選びに変化は生じているのだろうか。

「既に都心から郊外などへ移り住んだ人もいるかもしれませんが、まだまだ少数派です。現在はまだ、コロナやテレワークが原因で『郊外の物件が売れるようになった』という具体的なデータはなく、統計を取れる段階でもありません。逆に、コロナ禍により通勤日が減っても、打ち合わせなどで会社や取引先などへ、自宅から直行する機会が増えているようです。そのため、『都心部の駅近』という利便性は、物件探しにおける王道かつ不変の条件といえるでしょう」(田中さん)

とはいえ、賃貸住宅に居住中のファミリー層には、住まい選びの条件に変化が見られるそうだ。

「今後も継続的にテレワークを行う予定の企業が増加傾向にあるため、賃貸住宅に居住しているファミリー層では、『自宅に書斎などのプライベート空間が欲しい』という声をよく聞きます。お子さんがいるファミリー層では特に、家族と過ごす時間を快適にするため、今居住している地域からあまり住環境が変化しないことを条件に、現状の狭い賃貸住宅からゆとりある新築分譲住宅や新築分譲マンションを購入しようという人たちは増えています」(田中さん)

コロナと共存する「withコロナ」の時代。今後の第2波、第3波を見据え、誰しもが快適に「ステイホーム」できる術を模索しはじめているのだろう。

■今後予想される物件選びの条件

現時点ではまだ、「郊外転居組」は少数派だが、長い目で見ると変化も起こり得るそうだ。

「今後、より一層テレワークが普及し、自宅で仕事をすることが当たり前の世の中になれば、仕事部屋と居住空間を共有するような20平方メートル以下のワンルームマンションなどは、単身者の入居率が下がる可能性が高いでしょう。さらに、地価の高い都心部でなく、地価の安い郊外でゆとりある住宅を購入するという人たちも増加するでしょう」(田中さん)

今後のテレワーク普及の状況次第といったところだろうか。しかし不動産の資産価値を求めるなら、広さよりも「利便性」は捨てきれない条件のようだ。

「不動産の資産価値において、最寄り駅から近いという『利便性』は必須です。従って、郊外にある新築分譲住宅であれば、最寄り駅から徒歩10分以内の4LDK、または3LDK+S、新築分譲マンションであれば、東京23区内で最寄り駅から徒歩7分以内の3LDK、もしくは2LDK+Sの物件なら、資産価値が下がりにくいと予測できます。また、港区、渋谷区、中央区など都心の好立地であれば、狭い物件であっても、入居率や資産価値が下がる可能性は低いといえます」(田中さん)

もし、転居を検討する場合は、物件選びの条件として「ここだけは譲れない」というポイントを絞り込むことが大切である。そして、今後さらにお家時間が増えても、家族が快適に過ごせて、なおかつ資産価値が下がりにくい住環境を選べればベストだろう。

●専門家プロフィール:田中 勲(ゼロシステムズ)
田中住宅診断事務所、仲介手数料無料ゼロシステムズ、レジデンシャル不動産法人(株)の代表取締役。宅建士など不動産関連の資格を複数取得。著書「こんな建売住宅は買うな」を幻冬舎より出版。不動産の専門家としてテレビやラジオ、YouTubeに出演。

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