犬の鼻が湿っているのは元気な証拠なのか?家庭犬訓練士に聞いてみた犬はその鼻が濡れていれば、元気だと思っている人がいるようだ。鼻が濡れているだけで、本当に犬の健康状態が分かるのだろうか。逆に乾いていると病気ということなのか。「教えて!goo」にも「犬のことですが鼻が濡れていると元気といいますが本当ですか?」と質問が投稿されている。そのなぞを解明すべく今回も、家庭犬訓練士の寺内さんに話を伺った。

■犬の鼻が湿っている理由

どうして犬の鼻は濡れているのだろうか。

「犬の鼻が濡れている理由は大きく分けて2つあります。1つは湿っているほうが空気中のにおいをより多く吸着し、情報収集しやすいためです。もう1つは体温調節としての機能です。気化熱を利用して暑いときに体温を下げる効果があるとされます。猫を含む、ねずみ、牛、鹿など、多くの哺乳類の鼻は濡れています」(寺内さん)

体温調節をしているのなら、鼻が濡れていることと健康とは無関係とはいえないだろう。

■乾いていると病気なの?

では乾いている場合の健康状態はどうなのだろう。

「活動中は湿っているほうが自然ですが、乾いているからそれだけで病気ということにはなりません。夢中で遊んでいたり何かに心を奪われて見とれているときは、鼻を潤すのを忘れることがあるようです」(寺内さん)

鼻を故意に潤すことがあるようだ。では寝ている間はどうなのか。

「寝ている間は乾燥していることもあります。これは涙と同じ現象で分泌が少なくなるためです。犬には鼻の粘膜を濡らす分泌腺があり、水分がにじみ出ています。乾燥速度が速く間にあわない場合は、舐めて補うことがあるのです」(寺内さん)

鼻は舐めているから濡れているわけではなく、涙と同じように体液が分泌されていたのだ。それならば、やはり鼻が乾いているのは病気の兆候ではないか。

「犬の鼻が乾いていたら必ず病気というわけではありません。睡眠時や暖房器具によるもの、また高齢により乾燥していることもあります。老化により、鼻を湿らせておく分泌腺が上手に働かなくなったり、補う唾液が減少したりすることで、鼻腔内が乾燥する場合があるのです。少しでも水分を補うには、加湿器や濡れタオルで部屋の乾燥を抑えることが重要です。原因があきらかで、それ以外に変わった症状がない場合は、健康に問題ないといえます。乾燥が長引く場合はワセリンなどで保湿するのがおすすめです。鼻を水で濡らすと、余計に乾燥するのでやめましょう」(寺内さん)

身近なもので対応できるのはありがたい。

■こんな場合は獣医へ

乾燥が心配な場合もあるという。獣医にかからなければならない症状を聞いた。

「鼻が一時的に乾燥しているのではなく、かさぶたや傷があったり、皮がむけたりしている場合は皮膚病の可能性があります。この状態が長引くと角化が進むことで鼻が硬くなり、さらに進行するとひび割れてしまうこともあります。その場合は、獣医に相談しましょう。また、食欲不振、発熱、嘔吐、下痢などを併発しているときはすぐに受診てください」(寺内さん)

鼻の乾燥とともに、ほかの症状がみられる場合は、獣医の受診が必要だ。ほかに注意すべき鼻の病気も教えてもらった。

「犬の鼻の病気として考えられるのは、鼻炎、副鼻腔炎、アレルギー、歯周病の悪化による鼻づまり、腫瘍、異物が入る生理現象、老化による機能低下などがあげられます。犬種で鼻の病気の傾向を考えると、腫瘍ができやすいのはマズル(鼻)の長い犬種(シェパード、コリー、シェットランドシープドッグなど)に多いとされ、短頭種(パグ、シーズー、フレンチブルドッグなど)は鼻の穴が曲がったり、狭かったりすることが多いため、鼻づまりでいびきをかくことが多いです。個体差の特徴をふまえ、普段と様子が違う場合は病気を疑ってみましょう」(寺内さん)

愛犬の鼻に気をつけていることで、病気をいち早く察知することがあるかもしれない。飼い主が日ごろから愛犬との距離を縮め、様子を観察しておくことが大切だ。

●専門家プロフィール:寺内雄司
八王子市で犬と人の学び場、ポケットを運営。家庭犬訓練士やシッター等の資格を持ちドッグトレーニング・ペットシッター・ペットホテル等、飼い主をトータルサポート。ホテルは最高の3つ星受賞。2019年家庭犬訓練競技会グループ優勝。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)