給付金で延命するも消費戻らず…コロナ危機のステージ4は連鎖倒産か?事前防衛策は?9月11日時点でコロナ関連倒産の件数が474件に達した(東京商工リサーチ集計)。ピークは6月の103件で、7月80件・8月67件と減少に転じたが、これは給付金や支援策のおかげだった。支援切れの9月は11日時点で既に33件のハイペースとなっており、このままいけば500件を超えるのは時間の問題だ。

給付金や数々の支援策は、数字上明らかなように確かに効果があった。しかしこれは消費が戻るまでの一時的な支援という期待が込められていた。そして残念なことに、現状で消費が戻る見込みは高くない。となると年末にかけて倒産件数が増えたとしてもおかしくはない。倒産件数が増えると次に心配されるのが連鎖倒産だ。コロナ危機のステージ4は連鎖倒産なのかもしれない。そこで今回は取引先が破産した場合の対処方法や事前防衛策を富士見坂法律事務所の井上義之弁護士に伺った。

■取引先が破産した場合の対処とは?

「取引先が法的な破産手続に入った場合、債権者が取れる手段は限られます。抵当権や先取特権等を有している場合はその実行、取引先が自社に対して反対債権を有している場合は相殺の意思表示といった手段があります」(井上義之弁護士)

まずはこのように話す井上義之弁護士だが、もしもこれらの手段が取れない場合はどうなるのだろうか。

「そうした手段を取ることが出来ない場合、基本的に債権者は、債権届を提出し、債権者集会に参加し、配当を待つほかありません。まともな配当は期待できないと覚悟する必要があるでしょう」(井上義之弁護士)

破産が破産を呼ぶ。これこそが連鎖倒産の仕組みなのだろう。

■3つの事前防衛策

井上義之弁護士は取引先の破産に対して、3つの事前防衛策があると話す。

【事前防衛策1:取引先の兆候を把握する】

「取引先が経営破綻に至る兆候を把握するよう努めることは重要です。兆候の把握が早ければ早いほど、貸し倒れのリスクを低減することができます。具体的には、(1)自社との取引内容の変化(現金から手形への支払条件の変更等)は当然として、(2)取引先の経営陣や主要管理者に急な変更がないか、(3)取引先の社員の退職状況や求人募集状況、(4)取引先の取引先の倒産の有無、(5)コロナが取引先の事業内容に与える影響など、普段から幅広い視点でアンテナをはっておくべきでしょう」(井上義之弁護士)

【事前防衛策2:担保設定】

「担保の確保はもっとも確実な事前防衛策といえます。抵当権設定や連帯保証人が典型例ですが、ここでは所有権留保をご紹介しましょう。所有権留保とは、売主が売買代金を担保するために代金が完済されるまで買主に引き渡された商品の所有権を売主に留保することを合意するものです。所有権留保の合意がある場合、取引先から支払いがない事態になっても、契約を解除した上、取引先の了解を得て商品を引き揚げることが可能になります」(井上義之弁護士)

【事前防衛策3:取引信用保険】

「共済や保険などの利用も有効な事前防衛策です。例えば、取引先の倒産で連鎖倒産の危険が生じた中小企業が融資を受けることができる仕組みとして経営セーフティ共済があります。また、予め一定の保険料を支払っておくことで取引先が破産した際に売掛金の一定割合が保険金として支払われる取引信用保険の利用も考えられます。また、未回収の売掛代金債権を売却し現金化するファクタリングも、事前防衛策の選択肢になり得ます」(井上義之弁護士)

1つ目の「取引先の兆候を把握する」は非常に具体的でわかりやすく、今すぐ確認取れそうな内容も含まれており目から鱗だろう。また3の「取引信用保険」もすぐにでも検討に値する選択肢と言えるだろう。

■コロナ危機関連業種の方々はくれぐれもご注意を

リーマン・ショックは大企業の倒産が特徴だったが、コロナ危機は中小企業に甚大な影響を及ぼしている。中でも特に影響しているのが飲食店で、次いでホテル・旅館、アパレルとなっている。この記事をご覧になっているコロナ危機関連業種の関係者は特に連鎖倒産にだけは気をつけて頂きたい。

●専門家プロフィール:弁護士 井上義之 事務所HP ブログ
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