専門家に聞いた!男性の育休が普及しない理由や、失敗しない育休の取り方先日、小泉環境相が育休を取得し話題になった。「育児休業」は法律で定められており、要件さえ満たしていれば、男女問わず会社に申し出ることで取得することができるはず。とはいえ、さまざまな理由から、「取らなかった」という男性諸氏は多いようだ。以前「教えて!gooウォッチ」ご紹介した「ママがいい!困っているイクメンに教えたい子育てのコツを専門家に聞いた」によると、実際、育児参加に難しさを感じている男性も少なくないようだ。そこで今回は、株式会社ワーク・ライフバランスの大畑愼護(しんご)さんに、男性の育休が普及しない理由や、失敗しない取り方のコツなどについて話を聞いてみた。

■男性の育休が普及しない理由

男性が育休を取得しない理由には、「会社に制度がない」、「職場が育児休業制度を取得しづらい雰囲気」、「収入を減らしたくない」といった声がありそうだが……。

「法律で定められているにも関わらず、『制度がない』という誤解はいまだに少なくありません。企業側から社員に誤った案内をしているケースも多いです。深刻化する人手不足により、意図的に制度を使わせない職場が増えたり、より一層、取得しづらい雰囲気になることも懸念されます」(大畑さん)

そもそも、世の男性は育休を取得したいと思っているのだろうか。

「入社時点では80%程度の男性が育休取得を希望するというデータがあります。つまり、取得したいのに断念しているケースが多いといえるでしょう。普及のためには、『男女とも法律で育休取得が認められていること』、『給付金が支給され、6カ月までの育休であれば手取り収入にほとんど差が生じないこと』など、基本的なことを広く周知し、思い込みによる誤解を解いていくことが必要です」(大畑さん)

男性が育休を支持し、社会で育児に参加する権利を主張すれば、周囲から少なからず文句が出そうだが……。

「男性が育児参加を通じて、自らの父性を発揮する権利や機会を、職場の上司や同僚などが侵害する言動は『パタニティー・ハラスメント(パタハラ)』と呼ばれます。パタハラが生まれる根底には、育休に対する基礎知識の不足だけでなく、男性が取得する必要性への理解不足があります」(大畑さん)

パタハラを生み出さない風土を作るためには、どうすべきか。

「企業の上司が育休を取った場合、同僚同士が取得するより2.5倍も取りやすさに対する影響力が大きく、職場の取得率を37.5%も押し上げるというデータがあります。職場内で『育休取得者第一号』になることに抵抗がある人は、ぜひ職場外やSNSなどに目を向けてみてください。男性の育休取得が当たり前の世の中に変わりつつあるという感覚を得られるかもしれませんよ」(大畑さん)

まずは、育休取得に対する罪悪感を捨てることが先決かもしれない。

■失敗しない育休の取り方

大畑さんは、効果的な育休の取り方、過ごし方のコツは、「職場と自宅、双方での適切な事前準備や対応が大切」と教えくれた。

「育児休業に入るためには、あらかじめ取得の意思があることを職場に伝え、ご自身の業務を洗い出して情報共有を徹底し、属人化を解消しておくことが最も重要です」(大畑さん)

同僚や上司に迷惑をかけることなく、気持ちよく育休を取得するための「事はじめ」だ。

「自宅では、妻にとって適切な時期に適切なサポートを行うことが育休の鉄則です。女性の産後鬱のピークは産後2週間から1カ月といわれ、原因は主に産後のホルモンバランスの崩れといわれています。改善には睡眠と日光浴が有効ですが、母親にとってその管理は簡単なことではありません。また、妻の職場復帰のタイミングも、父親の育休が大きな助けになります。長い産休や育休期間を経て、職場復帰に臨む妻の心身的負担は想像以上に大きいものです」(大畑さん)

働く妻が職場復帰できるまで、夫が育休を取得してくれていたら安心だろう。さまざまな働き方が認められつつある現代、今後はこれまで以上に育休ニーズが高まるかもしれない。

●専門家プロフィール:大畑 愼護(おおはた しんご)
企業の働き方改革プロジェクトを支援。延べ8,000名以上のビジネスパーソンに働き方改革のアドバイスを提供。研修・講演の実績多数。1年間の育休期間中、家族5人でフィジーに育休移住をした経験を持ち、家庭と仕事の充実を自ら実践する。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)